車で疲れたのか気持ちよさげに後部座席で寝ている沢村ともなを見て安心からため息が出た。とりあえずうまくいってよかった。もしももなが本気で会いたくなかったら。という可能性も捨てきれていたわけじゃない。奈賀さんとやらに会って、傷つくだけかもしれないという可能性もあったのだ。だから怖かったのだが、うまくいったらしいのでこちらとしては一安心っというわけだ。
高速道路の渋滞で止まる車。帰りつけるかなぁ。と思いながら前をにらみつける。そういやお前球団に許可もらったんだってな。突然助手席に座る倉持に言われたことになんだと思ったがすぐに何かを理解し相変わらず耳が早いな。と思った。あー、もう知ってんのかよ。チームで知らねぇやつほとんどいねぇって。あの先輩もよかったっつってたぞ。自分のせいでお前らがダメにならなくて安心したって。あの先輩というのは女優に彼女との写真を撮られた先輩だろう。まぁあの人が彼女のことで調子崩されないほうが大事だったからな。それはこちらとしてもよかった。何事もなくて。
「もながさ、この間俺に誕プレくれたんだ。」
「は?過ぎてんだろ?」
「買っててくれたみたいでさ。ボールペンとボールペンフォルダー。ペアのやつなんだって」
「あいつが買ってたのはお前のプレゼントか」
どういうこと?ときくと前に買いたいものがあるといって出かけってたことがあって、そんときあの女優の情報を前にストーカーしてたやつからもなは集めた。向こうから声をかけてきたらしい。怖いと思いながらもお前を取り戻したいがために震えてるの無理して手に入れた情報がお前を助けたんだよ。なっ・・・。そん時は一応なんもなかった。俺と純さんであとつけてたしな。でもその前になんか寄り道して買い物してるから何買ってるんだって思ってあいつが出てったあとそこ見たらこぎれいなボールペンだったから余慶意味わかんなかったんだよ。そのあと聞くに聞けなくてすっかり今まで忘れてたけどな。
そんな経緯があったなんて知らなかった。あいつが、そんな無茶をしてたなんて思ってもみなかった。そのストーカーのことはさっさとどうにかするしかない。それも先輩たちがこの間けりつけてきた。もう二度とその存在を感じることもねぇよ。何のために交代であいつに見張りを付けてたと思う。
「覚悟しとけよ御幸。お前がうまくいこうといくまいと、あいつを傷つけて泣かせたら黙ってない奴は多いからな」
「はは・・・怖い怖い。」
「あと、亮さんの知り合いから請求来てるけどちゃんと払っとけよ」
紙を渡され額を見ると決して安くはない。いやもうぶっちゃけかなり高い。これどこの知り合いですか。と聞くと情報を一人であさりだしてくれたやつだと。それはそれは面倒な作業だったので金輪際このような粗相をしないこと。という手紙までついてあった。この情報屋、仕事なのにめんどくさがってるけどそれでやっていけんのかよ。おい。まぁでも助かったのは事実だし払わないわけにはいかない。仕方ないがこの出費だ。俺の収入なかったら普通に破たんするからな。そんなことを思いながら通帳を見つめた

一つとなりに鬼軍


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