突然倉持と御幸と栄純くんに車に乗せられどこかに連れていかれる。いきなり朝に出かけるぞ。って言われて着替えを投げ渡されてそれに着替えていつの間にか来ていた二人も一緒に車に乗り込む。パパラッチの人がいたけど臆することなく御幸は突き進む。マジックミラーになってるこの窓ガラスだからかそかもしれないが。どこに行くのと聞いても教えてくれず。寝てていいといわれて栄純くんとふたりで椅子を倒して横になる。なぜだか栄純くんは楽しそうだ。いいところなのかもしれない。今から行くところは
いつの間にか眠っていたらしく起こされたら目的地についていた。ほら。といって寝ぼけながら手を引っ張ってもらい車から出て外を見る。この雰囲気、どこかで見たことあるような・・・。お前まだ寝ぼけてるだろ。んー。ほら、起きろ。あとでまた寝ていいから。なんとかふらふらしながら歩く。もう御幸の腕にしがみつきながら。眠くて歩けない・・・
ほらここ。そう御幸に言われて顔を上げるとやっとここがどこだか理解した。ここは、私のあこがれた場所だ。奈賀さんに頼まれていた祭典が行われてる施設だ。お前椅子に座ってていいから。俺と倉持で買ってくる。そういって御幸と倉持はほんとにいってしまう。仕方なく一番遠い席に座り、待っていると目の前に奈賀さんが突然現れ、座った。
「久しぶりだねもなくん。」
「ご、無沙汰してます。」
「今回の件の真相、聞いたよ。すまなかた。君のことを本当は信じて守ってやるべきだったのに私がふがいないばかりに」
「そっそんなことないです!これは、自分が招いた結果なので」
「君は私のことを信頼してくれていた。それなのにそれを裏切るような形をとった。これは明らかに間違った行為だ。本当にすまなかった」
そういって頭を下げられてやめてください!と慌てて止める。なかなか頭を上げてくれないのであわあわしているとお弟子さんの一人がそんな暗い話はあとで、先にこっち召し上がっていただきましょう。といってブースの商品を出してくれる。暖かな湯気に包まれている色鮮やかな和食。召し上がってください。そういわれて会釈をしていただきます。といって一口口の中にれる。もぐもぐと口を動かし、食べてたら暖かくて優しくて、あの時、初めてこの人と会った時と味と同じだった。おいしいです。すごくすごくおいしいです。そういって私が笑うとそれはよかったです。とお弟子さんは笑って戻っていく。奈賀さんの料理がこうやってもう一度食べれるなんて思ってもみなかった。ここに来たいとは思っていたけれど、そんなことかなわないと思っていたし、来てはいけないと思っていた。だって、迷惑をかけてしまって、調理師の免許すら剥奪されそうになったのだから。ぼろぼろと涙が零れ落ちて奈賀さんがやさしく頭をなでてくれる。よく、頑張ったね。ありがとう、来てくれて。その言葉を聞いてまた涙があふれる。ああ、ほんとにこの人はすごいなぁ。
「あの、初めまして!わたくし、沢村栄純と申しやす!!」
いつももなさんにお世話になってるものです!と突然栄純君が元気よく挨拶をする。驚いていると俺実は奈賀さんのこと前から知ってやした!と話を続ける。このイベント?みたいなのにお誘いが来てすんげぇうれしかったみたいでもなさん毎日のように俺らに話すんです。いつも姉ちゃんみたいなのにその時は無邪気な子供みたいでほんとうにうれしいんだなて俺も思ってて、そんな風に笑わせてくれる人に感謝いしてやした。
「ありがとうごぜぇやす。だめになっちまったけど、でもそれまでもなさんを笑顔にしてくれた事実は変わらないからずっとお礼言いたかったんっす」
その言葉には奈賀さんもびっくりしてたけどすぐに笑って君はすごい人だね。といって栄純君の頭も撫でた。栄純君はにかっと笑ってそれほどでもありやす!なんて元気よくいうものだから奈賀さんと目を合わせて笑ってしまう。
御幸たちも戻ってきて一緒にご飯を食べて少しの時間だけ奈賀さんと二人でほかのブースを見て回った。これも勉強だからと言って次々に何かを買い与えてくれる奈賀さんにもう十分ですから!と何度も止めるのが大変だった。
「あと、今更こんなのずるい話かもしれないが君にはもう一つ頼みたい仕事があったんだ。これが終わったら言うつもりだった話、聞いてくれるかい?」
「は、はい・・・・。」
「調理製菓専門学校を今度都内の少しはずれに設立する予定なんだ。」
「学校、ですか・・・?」
「それとほぼ同時進行で身寄りのない子供の就職場のひとつとして旅館を立てようと思っている。両方私の夢だったものでね。だけどこの齢では両方をやっていくのには正直限界がある。自分一人では難しい。弟子たちには今の店を守ってもらわなきゃいけない。だから、君に手伝ってほしい」
頼まれてはくれないだろうか?と聞かれ言葉が詰まる。そんな重大なこと、私なんかで勤まるとは思えないし、それに・・・。私は無実だったとはいえ問題を起こしたのは事実だ。それが悪影響を及ぼさないとは限らない。返事に迷っていると奈賀さんはやさしく笑って返事はいつでもいい。だけど真剣に考えてほしい。と言われた。その言葉に頷けばその話はそこで終わり、私は何事もなかったかのように御幸のところに返った。



素敵なあかない宝箱


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