知らない奴が半分くらいいるなかでもきゃっきゃと楽しげにしているもなを見れば、嬉しいようなもやもやするような。そんな気持ちになる。おい、ちょっとノリと仲良くしすぎだバカ。睨むように見ているとそこなにやってんの。と亮さんにチョップを喰らう。
「亮さん、あの件どうなりました?」
「ああ、うまくいってるよ。向こうは次の動きを決めかねてぐずってるみたいだし。先手必勝。明日回収したものを整理したら即刻狩りに行くよ」
「あの、もなにはできる限り・・・」
「わかってるよ。あいつにはこんな汚いところ見せないって。ただのバッシングで女優が女優人生切れるなんてよくある話じゃん」
別に汚いことはしてないけどあんまりこんな探りに探ってあの女の裏事情をかき集めたなんて知られたくない。集め方が集め方だけに。そこは亮さんのつながりでお願いしたが、法すれすれ、もしくはかすったんじゃないかという方法で集めてるだろう。そうわかってるからこそあいつには知られたくない。証拠一つ一つに裏付けをつけていくなんて面倒な作業本当ならしなかった。けど、今回は俺もだけど俺以上ってくらいこの人も怒ってるわけだ。じゃなかったら最後のこの情報は必要なかったはずだ。まったく、こんなのどこから見つけ出したんだよ。ちなみにあの情報誰が見つけたんですか?と聞くと亮さんはこどもの遊びだよ。と言って笑う。子供?どういう意味だ?と首をかしげると今回宝探し頼んだやつ、お前の一個したの女の子。・・・ほんとっすか?まぁね。怖いねぇ。女って。なんて言っているが亮さんはひどく楽しそうだ。とりあえず喧嘩売る相手を間違えただろうあの女にどんまい。と声をかけてもいいかとだけ思えた。同情なんてしねぇけど。
「表に出すのはあいつの調べてきたものと、今回の話がデマだってことだけ。他は裏でぐるぐる回すだけだから」
「裏のどこまで回す気ですか亮さん」
「さぁ?俺の気が済むところまで?」
そういって亮さんがくすりと笑う。二回目の打順がきてバッドを握り、亮さんはグラウンドに出る。そして相手のベンチを見てもなのほうをみて、ニッコリと笑ったのか?慌ててあいつは亮さん頑張ってください!と大きな声で叫んだ。脅迫しないでくださいうちの嫁に。いやまだ恋人だけど。亮さんが綺麗にボールをさばくともなは先ほどの脅しとは別で素直にすごいすごいと興奮している。それを見て亮さんの機嫌が少しずつ治っていくのが分かる。一時はどうなるかと思ったけど、これでお仕置きとやらも終わってくれるといいけど
「つかほんとあいつのあの格好はずるいって・・・」
チアガールなんだろう。ひらひらと短いスカートが揺れ、いつも以上に惜しげもなくぷにっとした太ももが晒されている。ああ、もうほんとに絶景。だけど俺以外にもそれを見られてるっていうのがかなり複雑だ。はっきり言えば嫌だ。でもなんとなく察している。これが亮さんによる俺へのお仕置きだってことは。最初こそ恥じらっていたのにすっかり自分の格好など忘れ嬉しそうにあいつははしゃいでいた。そりゃずっと夢にまで見ていた青道(とはいってもOBだが)の試合をこんな間近で見れているのだから。でも飛び跳ねるたびに下のものが見えそうで見えない際どいことになってるのに気づけ。そして誰か止めてくれ。思わずガン見しちまったけどまったくもって宜しくない。後一歩で『パ』から始まる3文字のものが見えそうだったっつの。亮さんスパッツくらい履かせてください!!あのバカ全然わかってないから!!倉持も同じ気持ちなのかイライラしながらあいつをみていた。お前スパッツ予備持ってね?ときくと持ってたらとっくにあいつに投げつけに行く。といわれそれもそうかと納得した。いやだってお兄ちゃんだしな。つかお前なんで履かせてこなかったんだよ。履いてると思ってたんだよ。普通履くだろ。あいつ馬鹿なのか。馬鹿なんだよ。二人でまずしているとどうやら向こうでもながくしゃみをしたらしく沢村が無駄に騒ぐ。風邪かもしれないやらどうやら。噂だよそれは。と言いたくなった
次の回沢村が3人を空振り三振におめるともなは目を輝かせて栄純くーん!素敵―!と騒ぐ。沢村も嬉しかったらしくもなに抱きついてブンブンと振り回す。それを見て俺と倉持は慌てて走って沢村に倉持が蹴りを俺がもなにチョップを喰らわせる。突然のことにふたり揃って目をしろ黒させると俺と倉持が同時に叫んだ。この大馬鹿!!スカートの下丸見えになんだろがボケ!!きょとんとした顔をしてもなは別にいいよ?と首をかしげる。その返答に本気で怒鳴ろうとしたらペラリとスカートをめくって見せる。思わずガン見した。いや、男のサガだよこれは。そんな俺とは反対に倉持は速攻でそのスカートを元の位置に戻させ思いっきりもなの頭にげんこつを落とす。なんで?!と涙目になって驚いているもなに倉持が怒鳴ろうとしたが俺がちょっとたんま。といってスカートをめくると俺に今度はげんこつが落ちる。てめぇ何してんだ?!いや、お前もこれ見ろって。俺がそう言うと倉持がふざけんな!と怒るがいやほんと見てみたらわかる。俺が真顔でそう言うともなはスカートをめくるどころか上に持ち上げてスカートの下を見せてくれた。そこから出てきたのはあの薄い布地ではなくて普通のショートパンツだ。丈はかなり短いが。太ももの付け根したの長さのショートパンツだ。つまるところホットパンツだ。これは亮さんに1杯喰わされた。あの人がそんなところで抜かりがあるわけがない。
「お前らなになかせてるの?あーあ、かわいそうに。いたかったな」
そういって慰める役を買って出ることさえ全て作戦だったなんて信じたくなかった。

うそだろマミー


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