まったく、お前は。かれこれ3時間説教を受けている。だけどまだ終わりそうにない。そしてこれから実力行使のバツが下るそうだ。恐ろしい。恐ろしすぎる。倉持に助けを求めるとぷいっと顔をそらされた。純さんに顔を向けるとあわあわして亮さんにそろそろいいんじゃないかと切り出してくれたけどひと睨みされて撃沈していた。怖すぎます亮さんさま!!
「お前、なんでここまで怒られてるかわかってる?」
「今回のことを、話さなかったから・・・」
「今回のことって、どこからどこまで。」
「え、いやそれは・・・・」
どこからどこまでって、それは私の疑問なんだけどな・・・。なんて思って口を閉じると思いっきりチョップされた。痛い!!涙目になって見上げると亮さんはほんとに呆れた。といって部屋を出ていく。パタン。と閉まる音がやけに胸に響いた。呆れ、られちゃった・・・。ごめんなさい。そう口にすることしか私にはできなかった。大事な後輩である御幸を傷つけて、守れなくて。ごめんなさい。そう心の中でつぶやいた
このままどうすればいいのか分からず、ただぼーっと地面を見つめる。なんて答えることが正しかったのか今だにわからない。あんなに亮さんが怒ってるのは初めて見た。きっととても重要なことだったんだと思う。さっきの答えは。少なくとも亮さんにとっては。なのに私がわからないから怒って、ううん。呆れてしまった。今謝りに行けば許してくれるだろうか。ううん。ダメだ。何が悪いのかわかってなくて謝っても意味がない。ちゃんと考えないと。
「ほんとにお前は馬鹿だね」
「いたっ」
その声と同時に頭に強い衝撃が落ちる。この痛みは。そう思って痛む頭を押さえながら振り返ると後ろにはでてったはずの亮さんがいた。亮さん・・・。驚いて思わず名前をつぶやくとしゃがんでいる私に亮さんは視線を合わせて何?と聞いてくる。思わず呼んだだけで特に意味はなかったのでどうしよう。と慌てると優しくぽんぽんと頭を撫でられた。全部。へ?全部だよ。えっと・・。さっきの答え。全部が正解。ぜん、ぶ?そう。お前の身に起こったこと、御幸の身に起こったこと、お前がそれに対してどう思ったのか。全部その時に話せばよかったんだよ。亮さんに、ですか・・・?俺じゃなくてもいいよ。倉持でも純でも誰でも、お前が話したいやつに話せばいい。まぁ、俺に話さなかったらあとでお仕置きするけど。そ、それは言ってることが矛盾してませんか・・・。それが?お前そう言われてどう思った?どうって・・・。困った?うぅ・・・はい。わがままだと思った?それ肯定したら後でひどい目に遭う気がするんですが。くす。バカのくせに分かってるじゃんか。まだ肯定してないです!!
「いいんだよ。ワガママも、人を困らせても。頼られない方がむかつくから」
二度と、一人で抱え込もうなんて思わないこと。わかった?と聞かれて答えを渋っていると頭を鷲掴みにされて無理やり頷かされた。よくできました。といって亮さんはニンマリと笑ったけどそれはもはや脅迫でしかないと思う。ほら、こい。そういって差し出された手をつかめばそのまま引っ張られて立たされる。倉持。あれは。うっす。そういって倉持が亮さんに何かを差し出し、それをわたしの頭の上に載せられる。慌てて両手で支えると奥でそれに着替えて来い。といわれ奥に追いやられた。袋から取り出してみるとそれは世で言うチアガールの服だ。え。なにこれ。りょ、亮さん。これはなんでしょうか。恐る恐る扉越しに聞いてみるとん?お前のしたことの罰に決まってるじゃん。と即答された。むしろ何言ってんだこいつ?ぐらいの勢いである。いやいや、こんなの似合いませんから!可愛い子に着せてください!なんて騒ぐと扉越しにもな。とドスの聞いた声が聞こえたので速攻で着替えさせていただきました。


その声でわかるもの


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