恋がしたい。素敵な恋物語の小説や話を聞けばなんどだって憧れる。私だって好きな人ができたことはある。告白をされたこともある。だけど男運の悪さは天下一品だった。告白されることに関しては。ほんとうに変な人しか来なかった
最近、なんだかじっと見られてる気がする。悪寒が走るというか。風邪だろうか?と思っていたある日、その原因らしきものがわかった。
「ちょっともな!」と同僚に呼ばれてなんだろうと思って振り返るとぐいぐい引っ張られておくの部屋に連れて行かれる。一体何だというのだ。微妙に手が痛いです。力入れすぎだよ。
「あんた最近悪寒がするって言ってたじゃない」
「うん。なんか今日も一段とするよ。今は割とましだけど」
「その理由分かったわよ!」
そう言って同僚は少しだけ外を除いてひとつの場所を指さした。そこにはちょっと怪しい男が座っていた。じっとこちらを見つめて。それだけじゃ何もわからないじゃないか。と言ったらずっと私だけを見ていたらしい。最初は偶然だと思ったので気にしなかったところ舐めるように見つめるのが余りにも恐ろしかったので急いで私を奥の部屋に連れ込んできてくれたらしい。またそういう感じの変な人が来たのか。嫌だな・・・
とりあえず店長に話してみるが実害がないとこういう時は何もできない。まだ証拠も何もないから。とりあえず帰り道は必ず同僚と一緒にかえるように言われ、お店の中でも奥の資料整理をできるだけ担当してもらうことになった。そして警備員にも連絡をし、何かあったら動けるようにしてもらう。まぁ、こんな大きなショッピングモールの一角にあるようなお店で何かするわけないと思うけど。
気にしたらダメだ。きっといつか諦める。というか諦めて。祈りに近い気持ちで仕事をこなしているけど知ってしまえば余計に気になってちらりとその男の方を見るとにやっと笑われる。ぞわっと一瞬で背筋が凍り、体ががたがたと震える。怖い。自意識過剰なだけかもしれない。きっとそう。ここには私より可愛い子なんていっぱいいるし、それに、それに・・・必死で自分に言い聞かせてもなかなか震えは止まらない。
私の異変に気づいた店長はすぐに私のことを奥の部屋に押し込んでここで今日一日書類の整理をするように言いつけられる。担当の生徒がくるときは流石に担当しなければならないがそれ以外の新規の人の対応は全てパスさせてくれた。
ありがたい気持ちと申し訳ない気持ちでいっぱいになる。まったく知らない人だった。お客さんとしてあったことがあるような人じゃない。だったらなんで、話したこともないような人にどうして私が。だらだらと嫌な汗が流れる。
仕事が終わり、帰るときになると同期の友達と後輩の男の子が駅まで一緒に歩いてくれる
ちょっと。やっぱり付いてきてるわよ。マジっすか。もな先輩どこかで見覚えは?な、ないよ。私そんな顔広くないし。俺あの人何度か店の外で見たことありますよ。もしかして仕事中のもなを見て好きになったとか?ほら、うちの教室ってガラスの壁だからなか見えるじゃない。それありえますね。大丈夫ですか、先輩
正直に言えば全然大丈夫じゃない。こうなったらお金かかるとか言ってられない。タクシーで帰ろう。やっぱり節約で次の駅までにしよう。車で来てもナンバーとか覚えられるのも怖いし、そうするしかない。しばらくお金が飛ぶな・・・
でもそうした方がいい。と二人にも言われ、とりあえず今日は後輩が今日は車で来てるから載せて途中まで私たちを送ってくれると言ってくれたのでお言葉に甘えさせてもらった。
ショッピングモールを出ると急いで走って後輩の車に乗り込む。
乗り込んでからもすぐに発信せずあの男が追いかけてきてるか車に隠れて確認した。こっそり後輩が後座席から顔を出しあの男の確認をするとやっぱり駐車場まで追いかけてきていたらしい。キョロキョロと見回して私たちを探していると言われた。しばらく息を潜めてやり過ごそうといい、私たちは静かにあの男が去るのを待つ。ショッピングモールから車できていたほかの店の店員さんたちが出てきたのを見てそれに紛れて一緒に駐車場をでる。私はショッピングモールから少し離れるまで後座席で身を潜めていた。後輩がもういいっすよ。と言ってくれたので顔を上げてあたりを見ると見慣れた道で少しだけ安心する。同期の友達も後輩も本当に心配そうな顔をして私を見た。流石にあれはやばい人種だと二人もわかったんだろう。このまま警察行く?と聞かれたけどまだ追いかけられて一度目だ。そんなので警察は動かない。確実じゃないと警察は何もしない。だからといって何もしなければ本気で危ない人っぽかった。親に迎えに来てもらうこともできない。母だって働いてるし。だったら誰を頼ればいいのだろうか。先輩彼氏はと聞かれて首を横の振れば後輩はそうっすか。と言って微妙な顔をする。本気で頭を抱えていると同期の友達が帰りはあの人いなくなるまで一緒に絶対帰ろう。と言ってくれた。その優しさに甘えていいのだろうか?そんなことを考えているとオデコをピンと弾かれる。言ったじゃん。友達に気を使うなって。さみしいでしょ。なんてそんなかっこいいセリフ言わないでよ。泣いてしまうじゃないか


ありがとうと言うのが精一杯でした

prev next

 

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -