落ち込んだまま次の日の仕事に出ていろいろミスを続けてしまう。周りに心配されながらなんとか一日を終わらせて家に帰って大きく息をついた。ああ、だめだな。一人になると泣いてしまいそう。ご飯も作る気になれずに寝室にも行けず、ただソファーで枕に顔を埋めた。少しだけ暖かな温もりが触れたような気がした
朝起きて急いでシャワーを浴びて仕事の準備をする。なんだか今日は調子がいい。なんでだろ?不思議に思いながらも行ってきます。といって家の鍵を占める。今日も御幸とは顔すらも合わせていない。
職場に着くと昨日の失敗を取り戻すようにがむしゃらに頑張った。周りにはきのうとの違いに笑われながら仕事をこなしていく。新しい生徒さんご指名はいってるけど行ける?と店長に聞かれ、はい。と返事する。正直生徒さんていいっぱいなのだけれど、昨日のミスもあり、もう少し頑張りたかった。初めまして。と笑顔で声をかけると一瞬だけなぜかすごい冷たい目で見られた。けどそれが嘘のように美人な生徒さんは笑みを浮かべてよろしくお願いします。といった
今日やるメニューの説明を終えて野菜を切っていく。ビーフシチューなのでそんなに難しいものじゃない。ゆっくりと野菜を切っていき、シチューに火をかける。少し待っててくださいね。といってそばを離れ、道具を取りに行く。なぜか戻ると上機嫌な女性を不思議に思いながら出来上がったビーフシチューを盛り付ける。そして一口食べておいしい。と笑って直ぐに急に顔色を変える。突然苦しみだし、周りが騒ぎ出す。慌てて背中をさすり救急車を頼み、女性を介抱する。大丈夫ですか。と声をかけると女の人は不敵的に笑い、私を見た。
救急車に運ばれて事情を警察から聞かれ、現場検証が行われる。なんで突然こんなことに。同期と後輩くんが大丈夫?と心配そうにみているが強がって笑って見せるのが精一杯だった。怖い。なんだかわからないけど怖くてたまらない。ねぇ、怖いよ。御幸。おねがい、今晩だけは一緒にいて。そんな願いも淡く消え、警察から解放されて帰った家には誰もいなかった。私はそれからしばらく仕事に行くことを禁じられた。同期からの連絡でなんとか運営は再開したもののあの騒ぎのせいでいっきにお客さんがキャンセルをしだしたらしい。賑わっていた教室もカンコン鳥が泣くことが少なくなり、上の人たちの話し合いに店長は呼ばれてしまったらしい。たぶん、これは結果がどうであれ私はクビになるだろう。何もしてない。ホントに何もしてない。けど、私が最終的に責任を取らされるだろう。
店長からの電話に出るとやっぱり結果が出るまで仕事は休むようにとのことだった。なんでも生徒さんはいま売り出し中のモデルさんで売れてきてる最中だったらしい。向こうもおおごとにする気はない。と事務所が言っている。と店長が言っていたが、売り出し中と言うならばその言葉を信じないほうがいいだろう。会社だって私でもそう考えるのだ。結果と同時に首を切られ、会社は関係ありません。そんな事を言うんだろうな。なんて思いながらリンゴをかじる。最近、ちょっとダメかもしれない。ちょっとだけ寝てもいいかな。ちょっと疲れちゃったよ。寝たらまた、元気になるから。いつものもなにもどるから。だからちょっとだけ、休ませてほしいな。
それでね、できることなら夢の中でいいからもう一度・・・・。


夢に夢を描いた

prev next

 

「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -