短編 | ナノ




ここは東の海のとある島

今私たちが拠点にしている島だ。そして今日、短い航海を終えてその島に戻ってきた

島に入るとすぐに一人の少年がやってくる

「おーい!なまえ」

「ルフィくん!」

そう。可愛い可愛い私が大好きな少年ルフィくんです

この子はこの島の子でガープ中将のお孫さんなんだとか

「おう、ルフィじゃねぇか。久しぶりだな」

「シャンクス!」

「げ。なんで来るのよあんたは」

「そういう言い方は傷つくぞなまえ」

「五月蠅いおっさん」

「歳のことは言うな!」

この男はこれでも4皇の一人。赤髪のシャンクスだ

そして私はそのクルーなのだ

たかが一クルーがなんでこんなにも大きな態度を取れるのかというとこいつとは幼馴染であり、ロジャー船長の同じ下っ端だった仲なのだ

「なまえはいっつもシャンクスにつめてぇんだな!」無邪気な笑みで残酷なことをいうルフィも好き!

冗談で(半分本気)「そのぶんルフィくんには優しくしてるのよ!」というと「ルフィ!俺になまえの優しさを返せ!!」とシャンクスがルフィの肩を掴んだ

もちろんルフィは「えぇ!?」と言って驚いた顔をして困ってしまう

「ちょ、なに大人気のないこと言ってるのよ!あんたはガキかっ」

ホントにこいつはどうしようもない男だ

大人気なくなぜかルフィと言い合っているシャンクスをほって私は船の中で自分の荷物を整理することにした

無駄時間は省かなきゃね

「いったーい!」

荷物をまとめてリュックを背負いさて船を降りるかと思ったときそんな大きなルフィの声が聞こえてきて私は慌てて部屋を飛び出した

バタバタと走り続けてバンっと甲板へ続く扉を開ける

そのまま人が集まってるところに駆け寄って中央に行くために人を押しのけて進んでいくと私は衝撃的なものを見てしまった。

ルフィの目の下から血が出ていたのだ

というか、目の下をけっこうざっくりと切っている

「きゅ、救急箱!!」

こうして慌てて私が応急処置を済ませるのだった





「信じらんない」

「まぁまぁ、そういうななまえ。あれはルフィの覚悟だ」

「あんな子供にこんなことでなんて覚悟使わせてんのよこの馬鹿は!!あんなのが自分の頭とかほんといや!!マジでいや!!」

私が怒っているのを必死にクルーたちが必死におさめようとする

だけどまったく私の怒りは収まらなかった

「だって酷かったら失明してたのよ!?子供っていうのは何も考えずにバカやるお年頃なの!!ベンはそれでもよかったっていうの!?」

そう言いながら私はシャンクスを睨む

だけど睨まれている本人はそんなことに気づかず(いや、気にせずが正しいか)楽しげにお酒を飲んでいる

「いやいや、だからそんなたいそうな怪我になってないって船医にも言われただろ?」

この船の服船長さまが私をなだめようとしてくるけどさっきから逆にムカつくことばかりよ!

「そういう問題じゃない!これだからおっさんは嫌なのよ!」

「お、おま・・・・」

「落ち着けってなまえ。お頭はルフィを思ってだなぁ」

ヤソップも同様になだめようとして来るけどそれがよけいに腹立たしかった

「それで結局怪我させてたら意味がないのよ!!」

「そこんとこ下手なのがお頭だろ。お前がフォローしてやれ」

疲れたようにため息をついたベンに殺気を向ける

「言ったわね、ベン・・・・」

ついには標的を変えてなまえはベンを睨みつける

ふん。と顔をそむけて立ち上がるとなまえはルフィの隣に座った

「大丈夫ルフィ?」

「ああ!俺は強いからな!」

無邪気な笑みを浮かべてそんなことを言うルフィになまえはきゅんとなる

やはりおっさんばかりいる船にいるとこういう若さが新鮮なようだ

「もうルフィかっこいいっ!」

「おう!俺は海賊王になる男だからな」

自信満々に胸を張るルフィを見てなまえはうっとりとした顔をする

「お前ガキ相手にそんな欲情したような顔するなよ」

「おっさん相手じゃ興奮できないの」

こっちくんじゃないわよおっさん。となまえが睨みつけるのはシャンクスだ

だがシャンクスはそれを気にした様子もなくマキノにお酒を頼んだ

そのよこで必死にルフィがシャンクスに船に乗せてくれと頼み続ける

それを面白がったルウたちが「お頭船に乗せてやれよ」なんて言い出した

シャンクスはそれを簡単に「じゃぁ、お前らが代わりに降りろ」と言ってはねのけたのであった

速攻で今の話はなかったことをするルウたちにルフィがうなだれる

そこで私は考えたのだ。ならば私が降りてやろうと

「はい。じゃぁ、私が降りるからルフィ乗せてあげてよ」

「いいのかなまえ!?」

「ちょっと待てー!!」

なまえの発言を聞いてあのシャンクスも焦り始める

「お前は無しだ。お前が降りることは俺が許さん」

「知るかボケ。だいたい私は適当に賞金狩りでもしようとしたところをあんたが俺の船に乗れとか言って巻き込まれてなんだかんだで船に乗り続けてただけだもの。問題ないわ」

「ある!だから駄目だ!!」

駄々っ子のようにブンブンと首を横の振るシャンクスになまえは呆れた顔をしてしまうが仕方ないことだと思う。

「なにが、問題よ?」

「お前は俺の幼馴染だ。だから俺についてくる。そうだろ?」

ドヤ顔をするシャンクスに一瞬なまえはあっけにとられて黙ってしまうが我に返ると慌てて言い返した

「んなわけあるか!!幼馴染っていうのは幼少期の知り合いってだけよ!!」

「違うな。幼馴染は幼馴染と一緒にいなければダメなんだよ。これは常識だ」

「どこの常識だよ?!」

「俺の常識だ!」

どーんと胸を張って言い切るシャンクスになまえは知るか!!と怒鳴る

その会話を聞いて他のクルーはまた始まったのかとだけつぶやいて止めることなくそれぞれ好きなようにお酒を飲んだのだった


それは彼にとっての常識

(ほんとにあんたは馬鹿じゃないの!?能才年齢は子供か!)
(まぁ、俺まだまだ若いしな!)
(馬鹿だ・・・。こいつほんとに馬鹿だ・・・・)


<<>>