ジャーファルと元暗殺者

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真っ白の髪はめずらしいのだろうか
シンに聞いたら「そんなに多くはないな」と言われた
だけど私のはもともとではないから、珍しいものではないと思う
「ねぇ、ジャーファル」
「なんですか」
「私の元の髪の色って何色だったんだっけ・・・?」
ずっとずっと昔になくした自分の色が気になった
とうに自分自身で忘れてしまったことだけれど、なぜだかいまになって気になり始めた
「どうしてそんなことを?今まで興味を示さなかったのに」
「暗殺してた時はそれどころじゃなかったからね。だけど、最近よく聞くんだ。外から来た人が『綺麗な銀髪だね』ってわたしにいうの」
ああ、それで。とジャーファルはすぐに納得した
我ながらよくこんなことで納得するなとジャーファルに感心してしまった
くだらないことは百も承知だから
「エメラルドでした」
「え?」
「綺麗な透き通るエメラルド。あなたの髪の色です」
「エメ、ラルド・・・」
「はい、それはそれはとても綺麗なものでした。失ってしまったことがとても惜しく思います」
「たかが髪なのに」
「そうですね。たかが髪です」
「・・・。戻ればいいのにな・・・」
そんな馬鹿なことをつぶやいた

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