小説 | ナノ


  夏の流れに身を任せたら



ジワジワジワジワ…と延々と鳴き続ける蝉の声に耳を塞ぎたくなりながら書類を処理し続ける名前。
こんな暑くて何もやる気が起きないような日にも確実に仕事は回り、溜まってくる。
副兵長と立場のある名前であれば尚更だ。
自分でこれくらいならばもっと立場のあるリヴァイやエルヴィンは生きているのだろうか、と小さな疑問を浮かべたところで最後の一枚からペン先を外し、握っていたペンをペン立てに差す。
ふう、と息を吐き出して椅子にもたれかかった名前は、その最後の書類に走らせたインクが乾くまで、と食堂で入れてもらったアイスティーで喉を潤すが、大分汗をかいてしまいグラスを握っただけでひどく手を濡れてしまったことと、中身が既に温くなってしまったことに眉を顰める。
科学班にあるクーラーが恋しい…とここにはないまさに文明に利器、と言わんばかりのそれに思いを馳せ、グラスの中身を一気に飲み干した。


バターン!


「名前!!」


新しいものをもらいに行こうか、と立ち上がった名前の耳にはどんどん近づいてくる足音が響いたかと思えば、それは自身の部屋の前で止まり、いきなり勢いよく扉が開かれる。
それはもう、扉が壊れてしまうかと思ってしまうほどの勢いで。
こんな暑い日でもこの人は元気だな…と注意する気力もない名前は緩慢な仕草で、扉をあけ放った張本人、ハンジに『何ですか…』と尋ねた。


「やっぱり暑さで死にそうだったね!水浴びしよう!!湖で!!」


は?という顔をした名前など気に留めぬまま彼女の腕を掴んだハンジは一気に駆け出す。
急に腕を引かれたために前につんのめった名前だったがなんとか体勢を立て直し、とりあえずハンジについていこうと足を動かした。


「で…こりゃ一体どういう真似だ、ハンジ」


「だーからー、こんなクソあっつい日にはデスクワーク云々じゃなくてぱあっと水浴びしようっていう提あだだだだだだだだだ!!腕!折れるってええええ!」


「で?てめぇが引きずってきた肝心の名前は何処にいる?」


「今!更衣室で着替えてるよおおおおおお!!」


ギリギリ…と音を立てて握られていたハンジの腕がようやくリヴァイの手から解放される。
凄まじい握力で握られたハンジの腕にはくっきりとリヴァイの手形がついていて、「怪談かなにかの類みたい」といった何気ないハンジの言葉にリヴァイの足が振り下ろされるまであと、


「ほら!副兵長早く!」


『ぺっ、ペトラっ、なんで私のやつこれなの!?』


「え?ハンジさんと一緒に選んだらそれた一番いいなってことになったんです!」


ほら早く! せっ、せめて何か羽織るの…! そんなの有りません!


そんな押し問答がリヴァイ、ハンジ、そして今まで空気だったエルヴィンやエレンの耳にも届き、リヴァイの振り上げられた足もその場で一時停止。
皆の視線が声のした方に向けられると、そこにはペトラに引っ張られる名前の姿が。
ペトラはパステルカラーのカジュアルなビキニ、名前は黒地に白で羽のワンポイントが入った紐ビキニを身に纏っていた。
よく見れば紐の部分はレースでてきているようで、彼女が動くたびにひらひら動いて可愛らしい。
因みにエレンもリヴァイも水着を着ているが、エルヴィンは涼むだけに来たらしく普通に隊服、ハンジに至っては何故か巨人の柄が描かれている全身タイプのものを着用していた(そんなもの何処で購入するんだ…)


「うわあ…!」


そう声を漏らしたエレンは名前に駆け寄りその両手を握り、きらきらと目を輝かせる。
彼女を引っ張ってきた張本人であるペトラは少し離れたところでその光景をにやにやと、普段なら決してしないであろう悪どい顔で見ていた。


「すっごく綺麗です!」


『えっ、あ、あり、がとう』


「うぅん!やっぱりそれを選んでよかった!」


『ひゃあっ』


真正面から手を握っているエレンに目を取られているうちに、背後から忍び寄っていたハンジが名前の細い腰から脇腹にかけて指を滑らせる。
きゅ、と引き締まった腹周りには無駄な肉はついていないのだろうが、他の兵士と違って筋肉なるものは見られず、柔らかそうに見え、肌の白さが眩しい。
そのままさわさわと腰やウエストを撫でまわして来るハンジに顔を真っ赤にした名前はただ狼狽し、エレンは名前副兵長可愛い、と普段見られないビキニ姿を舐めるように見回す。
誰か助けて!と心の中で叫んでいる名前に救いの手を差し伸べたのはエルヴィンで、小さくため息をつきながらハンジを引きはがすと、ほほえみながら名前のビキニ姿をほめる。


「何を着ても似合うな、綺麗だ」


『エルヴィンさん…』


どこかいい雰囲気を醸し出している2人にムッとしたリヴァイはようやく足を下ろし、名前のもとに向かおうとしたが。


「うおおお名前副兵長から手を放せエレンんんんん!」


「マジでビキニだ…!」


「き、綺麗…」


「なっ、お前らなんでここに!?」


がさっ、と森の奥から現れたのはエレンと同期の104期生の面々、ジャン、ライナー、ベルトルト。
なんでここに!というエレンの声にハンジがどうやら彼らにも伝えたらしく、3人は興味を抑えきれずここにやってきてしまったのだという。
彼らは顔を赤く染めながら名前を見ていて、見られていると分かった名前は傍にいる中で一番体の大きいエルヴィンの影に隠れた。
その動作でさえ、彼らを悶えさせる材料にしかならなく、おろおろとしている名前の腕を強くつかんだリヴァイは、いつもよりもドスの効いた声でハンジに言う。


「シャワールームに誰も近づけるな」


「分かってるってー」


いってらっしゃーい!と笑いながら見送られた名前は、ずんずん進むリヴァイに駆け足でついていく。
因みに他の一同は「テメェら…後で覚えてろよ?」というリヴァイの声にやられ、ピクリとも動いていない(エルヴィンは苦笑を浮かべながらやれやれ、と息を吐いていたが。)
リヴァイに引きずられるまま進んだ先にはシャワールームがあり、そこの一番奥の個室に引きずり込まれ、バタンッ、と扉が閉められるとすぐにシャワーのコックが回される。
初めは冷たい水が降ってきて体を竦めるかと思ったが、そんな暇もなくリヴァイが唇に噛みつく。
最初は体が強張っていた名前だったが、降り注ぐシャワーがお湯になるのに伴って強張りが解け、リヴァイの舌を受け入れて拙い乍らに絡めあった。


『ん…ちゅ…』


名前の顔が蕩けてきたところで離せば銀色の糸が伝うものの、シャワーによってすぐに切れてしまう。
胸元や肩などに張り付いている濡れた髪を後ろに流してやりながら、リヴァイはまじまじと名前の体を見回した。
白い肌に映える黒の水着、肌からわずかに浮き出る肋骨や腰骨、柔らかな曲線を描く肉体は、自分を誘っているようにしか見えない。


『リヴァイさん…?』


「いいか、それ、俺以外の前で着るなよ」


『え…でも』


折角ハンジさんが選んでくれたのに、と言い淀んだ名前に、俺が買ってやる、といったリヴァイは彼女の首筋に顔を埋める。
そのままぬるり、と這わされたリヴァイの舌にビクつくものの、彼の舌は首筋から鎖骨、胸元へと降りて行き、背中にまわした手でレースの紐を解けば呆気なく胸を覆っていた水着は浮いた。
こんなものを選んだハンジを一瞬恨みはしたが、頭の中からハンジを追い出したリヴァイは目の前の名前に集中する。
ふるり、と震えた胸を揉みしだけばあがる甘い嬌声。


『ふっ、ん、んっ』


頂を口に含み、名前を見上げながらリヴァイは両手を下の水着に這わせる。
あぁ、脱がせられる、と少しの羞恥に染まった名前の眸にリヴァイは気付かないわけもなかったが、彼は心中でほくそ笑んで尻の方に回した片手で水着を掴むと、それを思いっきり上に引き上げた。


『ひぅっ!?』


ぎゅっ、と持ち上げられたそれに困惑しながらもリヴァイを見ているとリヴァイは目を細めて、爪で下着の上から秘部と秘豆を引っ掻いた。
逃げようとする腰を下着を引っ張り上げているほうの肩手で制しながら、かりかり、すりすり、と下着の上からそこを刺激し続けるリヴァイ。
もどかしい快感に腰をビクつかせながら懇願するようにリヴァイを見た名前に、リヴァイは胸から口を外し、彼女と同じ目線に戻ると、ニヤ、と笑った。


「これは仕置きだ、名前よ…」


すり、と撫でていたかと思えばぐりっと秘豆を潰す様に指に力が籠められ、名前がびくんっと体を震わせた。


『ひっあぁっ』


「イけねぇでどこまで耐えられるか…」


見ものだなあ?と笑ったリヴァイの顔は残念ながら涙が滲んだせいでぼやけてほとんど見えなかったが。
もう彼の前以外でこの水着は絶対に着ないと、そう決意した。



(ひっく…もうやだあ…)
(あ?ほらもっと頑張れ)
(あぁっ、ん、んんっ)
(欲しかったら厭らしくお願いしてみろ)
(そ、んなっあっ、)
title:シングルリアリスト

…あはんうふんということで…ぬるいえろにしてみました←
これってなに?R18ほどじゃないからR15?じゃあパスは良いのか…?
皆様からご指摘があればパスをつけるかもしれません←
これからも元帥総受け(笑)で頑張ります(笑)
膿様も熱中症等々にはお気を付けくださいませ!
50000hit企画参加ありがとうございました!
これからも嘘花をよろしくお願いします^^*

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