穴の中と外。

それが君と私の出会い。


私は入学したてでまだ学園を知らなくて。

何もかもがキラキラしてて先生が行くなって言っている言葉も聞かずに私は中庭にいってしまったんだよね。


そこにちょうど蛸壺があって私はそれに落ちちゃうの。

足を挫いてしまって痛くって、助けを求めるけれど誰も来なくて心細くて怖くて、このままひとりぼっちで死ぬんじゃないかって泣いてたら、君が上から

"大丈夫?"

って声をかけてくれたんだよね。

太陽に照されながら私を見下ろす君は今まで見た男の人の中で一番かっこよくてキラキラしてまぶしくて。

自分の心臓の脈がはやくなって顔が熱くなっていって、そんなこと生まれて初めてだったから訳がわからなくなって

"大丈夫じゃない!助けて!"

って泣きながら叫んだら、君はあわてながら先生を呼びにいってくれたよね。


それから君と私は仲良くなって、他の子たちとも仲良くなって。
笑ったり泣いたり喧嘩したり。

沢山の時間を一緒に過ごして
今では君と私は…


「ねえ南なにしてるの?」
「あ。藤内。」

「こっちは南の家族に挨拶にいくって言うから緊張してるのに…」

「ちょっと藤内と初めて会った時のこと思い出しててねー」

「あぁ…南はあの時からドジだったよね…!」

「あの時からって!!」

「でも」

「ん?」

「あの時から可愛かった。」

「…うん」

「さすが俺の彼女」

「うん。ありがと」


初恋は叶うってね


(ありますよ、きっと)


提出:奏香さん



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テーマ「人外ファンタジー」
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