私は竹谷家の長女としてうまれた。


私には八左ヱ門…通称はっちゃんという大好きなお兄ちゃんがいる。
いつも身だしなみには無頓着で元気だけが取り柄。
でも優しくて太陽のような人で私の王子様。

だがはっちゃんは忍術学園に通っていて3年ほどはもう帰って来てない。

私は母と父を手伝いながら兄の帰りをずっと待っていた。


なのに…それなのに…!


長屋の場所を教えてもらい、私は走り出す。

______



俺は授業終わりで長屋へ戻った。
雷蔵も三郎も委員会があると言うので俺は一人でゆっくりしようと長屋のドアを開けた。

その時だった。


俺よりも小さくて懐かしい"何か"と俺はぶつかった。


「南…か?」

「はっちゃん…」

「お前っ…なんでこんな所に…!でかくなったな…!」

「…」

「南?何か怒ってるのか?」


3年ぶりにみた妹は女の子らしく背も低いが前よりはずいぶん高くなっていた。

「はっちゃんこの間町でみたよ…」

「町で…?」

「綺麗な女の子連れて歩いてた」

「あぁ!あの時か…」

「お家に帰ってきてくれないのに女の子とあそんで」

「い…いや違う…あれは…」

「それとも私の事嫌いになっちゃったの?」

「それは違う!」

思わず大きい声を出してしまったために南をおどろかせてしまう。
俺はしまったと思いながら優しい声で、南を落ち着かせるように頭を撫でながら言った。

「南は兵助を覚えているか?」

「兵助さん?あっ昔豆腐をくださった…」

「ああ。実はな…あれは実習で女の子は兵助の女装なんだ。」

「…えっ?」

「だから大丈夫だ!寂しい思いさせて…ごめんな?」

「私も…ごめんなさい…!はっちゃん大好き!」

「おう!俺もだ!」


俺はまだまだ幼い妹をぎゅっと抱きしめた。


だれにもあげない



(はっちゃんは私の王子様!)


提出:奏香さん



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