はじめに。

銀八前提の総受けです。
ほかのCP表現あります。
最初だけ痛々しい表現あります(流血など)。


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「はいこれ今日のお礼」
「ん・・・ありがとう」
「じゃぁまた誘うね」
「うん」

会話しているのは顔立ちが綺麗な高校生ぐらいの青年とスーツを着た40代ぐらいの男性。
そのスーツの男性が去った後、青年は手渡されたお札を数えていく。

「6、7、8・・・丁度10万か。まぁまぁだな」

札束を乱暴にポケットの中へ入れると、その青年もどこかへと消えていった。






「おい、聞いたか?土方の奴、体売ってるみたいだぜ」「まじ!?」「あぁ。いろんな奴が金を受け取るとこを目撃したらしい。しかも!!男相手に売ってるみたいだぜ」「まじ!?」「ホモ!?」「キモッ!」「前から無口できめぇ奴だとは思ってたが」「なな、明日さ・・・・」






***

「・・・・」

土方は教室に入ると無言のまま立ち止まった。

銀魂高校の3−Z組、土方十四郎のいつもの朝はこうだ。
朝起きると携帯に何十通ものメールが入っており、全て開封する。
そして今日の一番予定が合いそうな人だけに返信。
直ぐ返事がきて、夜会う約束をする。
ただしいつもと違うのはここから。
朝、自分の席へ向かうと、机には沢山の落書き。

『淫乱』『売春』『ホモ』『キモイ』『死ね』

そう大きく書かれていた。

―バレたのか。

土方は机を眺めながら大した感情も抱くことなくただ”バレてしまった”という事実だけを心の中で言葉を発した。
助かったのは書いているものがマジックなどではなく鉛筆だったこと。
鞄を下ろし筆箱を取り出し、そこから消しゴムを取り黙々と落書きを消す。
誰が書いたのか分からない。皆の視線が自分に向けられているのは分かった。
だが誰が書いたとか視線がとかそんなのどうでも良かった。
本当は消すのも面倒だ。しかし、これを見られたくない人が約3名。

「トシ〜おはよ〜!」
「あぁ、おはよう近藤さん」

全て消し終えたと同時ぐらいにZ組に大きな声が響き渡る。
高校生とは思えない体格、顔をした土方の同級生近藤勲。

「土方〜今から焼きそばパン買ってこ〜い」
「なんで俺がてめぇのパシリになんなきゃいけねぇんだ・・・!」
「あれ?俺の下僕でしょ?」
「誰が下僕だ!!」

土方に生意気な口をきいているのは近藤の後ろから着いてきていた栗毛頭の青年、沖田総悟。
彼もまた土方の同級生だ。
この二人は唯一土方に気兼ねなく接してくれる友人。
この二人には自分の裏の顔を知られたくなかった。

―けどそれは時間の問題、かもな。

噂というものは一日であっというまに全体へ広がってしまう。
一人になってしまうのは正直怖かった。でも自分のしていることはそうなっても仕方の無いこと。
だからといって止める気もない。

「お〜い席に着けぇ〜」

そしてもう一人、知られたくない人。

「げ、もう銀八がきやがった」

坂田銀八。3−Zの担任。
先生だから知られたくない、というのも一理ある。
しかし土方にはもう一つ理由があった。

「ん?どうした多串くん、席に着けよ?」
「っ・・!」

ぬっと急に目の前に現われた銀八を見て赤面してしまう。
そう、土方は銀八に恋をしていた。決して叶わぬだろう恋を。


***

「多串くん、多串くん、ちょっと」
「はい・・?」

放課後銀八に呼び止められ手招きされる。

「最近、多串くん成績落ちてるよ?まぁそれでも上の順位にはいるんだけどね、気をつけて」
「はい・・・」

最近夜は男と寝ていることが多かったので勉強が疎かになっていたかもしれない。

「なんか今日1日調子も悪いように見えたけど大丈夫?」
「大丈夫です・・」

ちょっとした変化に気付いてくれていたことに少し嬉しさを覚えながら土方は頷いた。

「そっか。ならいんだけどね、じゃぁお疲れさん」

そう言って土方の頭をくしゃくしゃと手で撫でる。
銀八に触れられた所が急激に熱くなっていくのを感じていた。
顔も赤くなっているかもしれない。
そう思った土方はうつむきながら「お疲れ様でした」と呟き背を向けた。


―さて、今日もがっぽり稼ぐぞー

約束していた男性に会うため早足で階段を降りる。
下駄箱の前まで来ると、3、4人の男子に道を防がれた。

「・・・?」

不思議に思い顔を見ると見知った顔、見知らぬ顔とさまざま。

「よぉ、ちょっとこいや」
「―!?」

ガシッと腕で方を組まれ動けない状態に。
体から危険信号が出たがもう遅い。
引きずられるように土方は体育館へと連れられていった―。


体育館倉庫へ連れられると、内側から鍵をかけられる。
今日は部活が無いため誰も体育館はいなかった。

「体売ってるんだって?まじで淫乱だよなー」

一人が左腕、もう一人が右腕を抑え、股の間にもう一人が入り、完全に逃げられない状況を作り出す。

「何すんだ・・・」
「なぁなぁ俺らにもご奉仕してくれよ」

男達はゲラゲラと笑う。
土方はそれを冷めた目つきで見つめる。
それに気付いた男はその目つきに苛立ち土方の胸ぐらを掴む。

「てめぇ、今の状況分かってんのか?」

そう言うと土方はフッと笑い見下すような顔で話始める。

「分かってるよ、ご奉仕して欲しいんだろ?だったら一人3万」
「・・・は?」
「お前らは学生だから安くしといてやるよ。ほら、3万出せって」

男達の顔色がみるみるうちに変わり、こめかみには血管が浮き出ている。

「生意気なんだよてめぇは・・・!!」

股の間にいた男が土方の服を乱暴に脱がし始め、上半身を露にさせる。

「こうしてやる・・・!!!」

男は自分のポケットに手を突っ込み、そこから取り出したのは授業で使うコンパス。
針に付いているキャップを外し、土方目掛けて振り落とした。

「うぐっ・・!」

わき腹辺りに鋭い痛みを感じた。
ギリギリギリと刺さったまま動かし、何かを書いているように見える。


―ヤバイ。

土方は焦った。
痛みなんてどうでもよかった。ただ、このままだと”自分の体が売り物にならない”という思いが土方の心に焦りを生み出す。

「クックックッ。出来たぜ!」

腕を押さえていた二人が土方のわき腹にある傷を見て笑い出した。

「最高」「似合ってる似合ってる」

そして書いた張本人は血の付いたコンパスをペロリと舐め笑う。

「『淫乱』って書いてやったよ。ありがたく思え」
「・・!!!」

咄嗟に土方は傷を抑えると手にねっとりと自分の血が付く。

―最悪だ・・・これじゃぁ・・これじゃぁ・・・
―体が売れない・・・!!

普通なら相手に対する恐怖などが芽生えてくるはずなのだが土方は違った。
傷が治るまで自分の体が売れないことに絶望する。

「はーいそれじゃぁ今から淫乱さんの相手してあげまーす」

そう言うと土方のズボンも脱がし、自分の一物を土方の蕾へと入れる。

「んぐ・・」
「おぉ、流石淫乱。思ったよりすんなり入るぜ」

何人ものソレを入れてきた土方のそこは男の一物をスムーズに飲み込んでいく。
全て入ると、男は一心不乱に腰を振り始める。

「あ、やめ・・ろ・・・」

抵抗する言葉も相手にはもちろん無駄。
土方は相手が飽きるまで遊ばれ続けた。




目を覚ますと周りは誰もいない。一瞬ここは何処だろうかと考えてしまう。
先ほどの出来事は夢だろうか?そう思いたかったが体中が精液まみれになっていた。
そして腹部の痛み。痛むところに触れると手に血がつく。
これは夢ではない。

それを理解すると土方はそのまま動くことなく、ずっと天井を見つめていた。




Continue.......






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