「いやあ、やっぱり凄いねぇ!流石対凶悪犯用に作られただけある!」

犯人も捕まり署へ報告すると、上司が大喜びで二人を出迎える。
それからの土方は凄かった。
いくつもの事件を解決し、どんどんと功績を上げていく。
傍からみると高杉が後輩なのではないかと錯覚するぐらいに。
今日も凶悪犯を捕まえたのは土方だった。
高杉は唇から血が出るぐらい噛み締めその光景を見つめていた。


「高杉さん、今日もお疲れ様です。そろそろ帰りますか?」
「・・・・・」

高杉は土方の方をちらりと見ると、何も言わずそのまま帰ってしまう。

「高杉・・・さん?」



***


―納得がいかねぇ。
―俺たち人間がロボットなんかに負けるのか。

土方とは話す気にもなれず、置いて帰ってしまったが悪いとも思わなかった。
ただ苛苛だけが高杉の心の中で増殖していく。
今まで積み重ねてきたものが一つのロボットに壊されてしまったように思えた。
必死に勉強して、体力をつける為にジムにも通って。ようやく手に入れたものを奪われてしまった感覚。
ぎゅっと拳に力を込めると、早足で歩き始めた。




「只今戻りました。・・・あの、今から急いで夕食作りますね!」

高杉が家路に着いてから何十分か経った後に土方は帰ってきた。
いつもと違う雰囲気の高杉に不安を覚えつつもいつもと態度を変えまいと努力しながら台所へと向かう。

「もういらねぇ」
「え?」
「てめぇの作る飯はいらねぇっつてんだよ」
「・・・なんで、そんなにカリカリしてるんですか・・・?」

その言葉に高杉の堪忍袋の緒が切れた。
ズカズカと土方に歩み寄り、胸ぐらを掴むと壁に土方の背中を思い切り叩きつける。

「!?」
「てめぇはいいよなぁ、努力もせずに生きていけるんだからよぉ」
「高杉さ・・・」
「それに刺されても死ぬことはねぇし。いつか警察もお前みたいなのばかりになって、人間がいなくなるかもしれねぇな」

そう言って自傷気味に笑った。

「そ、そんなことないです!人間には俺にはないようなものを沢山持ってる・・」
「ロボットが人間のこと分かったような口きくんじゃねぇよ!!!!!」

胸ぐらを掴んでいた手に力を込め大きな声で叫ぶと、土方は驚きビクンと体が動く。

「・・すいませんでした・・・・」
「・・・・・風呂、入ってくる」

土方から手を離し、風呂場へと向かって行った。


「クソッ・・・」

ムカついたから土方の作る飯を食べない。
そんな子供みたいな言い草に自分が恥ずかしくて仕方が無い。
高杉は全てを流し去るようにシャワーを何十分も浴び続けた。


「あ・・・・」

風呂場から出ると土方は丁度寝衣に着替えている所だった。
水に長時間浸かると故障の原因になる為、土方は濡れタオルで毎回体を拭いている。
上半身を裸にした土方の腰にはよく見ると数日前最初の依頼で犯人に刺された傷が、薄っすらと残っている。

「完璧には治らないのか?」
「え・・?ひやぁ!?」
「!?」

土方に近づき何気なく傷跡を撫でると、気の抜けたような声を出しながら土方は飛び跳ねる。
その声に高杉も同じように驚いてしまった。

「な、え、え、?」

高杉の行動が理解出来ていない様子の土方を見てニヤリと高杉は笑う。

「ロボットの癖に感度とかあるのか・・?」
「カンド・・・?」

意味の分からない単語が出てきて混乱している隙をついて、高杉は土方を床に押し倒した。

「そういやお前ってどこまで人間に似せて作られてんの?・・・例えばこことかさ」

そう言って土方の股間辺りに手を持っていく。

「あの、何を・・・?」
「お、ちゃんとついてんじゃん」

下着の上からソレを確認すると、下着を払いのけ、土方の自身を取り出す。

「すげ、感触までそっくりじゃねぇか」
「あの、これは、俺、どうしたら良いんですか・・?」
「感じる?」
「え?感じるって何がです?」
「触られて気持ちいとか思う?」
「えと、よく、分からないです・・・」
「・・・ふうん。ここまで作ってんのにそういうのはねぇんだな、つまんね」

土方の一物を触っていた手をどけると、今度は自分の一物を取り出し、土方の蕾に当てる。

「ちょっと実験」
「え・・・?」

土方の両脚を大きく開き、そのまま自身を土方の蕾へゆっくりと入れだした。

「ひっ・・・あ、な、に・・・?」
「案外入るもんだな・・・・」

意外と入り口は柔らかい感触で中へと入って行く。
ぎゅっぎゅっと締め付けながら入っていく様子は人間と何ら変わりはない。
しかし全て入った後違和感が生じた。

―空洞・・・?

中に入ると内壁はなく、空洞のように感じる土方の体内。
不思議な感覚が新たな快感として高杉を襲う。
ゆっくりと腰を動かし始める高杉を、土方は驚愕しながら見ていた。

「高杉さ・・・やめっ・・・」
「こういう行為ってお前の頭ん中のメモリーには入ってない訳?」

そう言いながらピストンをどんどん速め、絶頂へと導いていく。

「やっ・・・!」
「これ、流石に中に入れたらヤバイよな・・・っ」

高杉は絶頂が近づくと一物を中から取り出し、土方の腹の上へ欲望を吐き出した。

「ふぅ・・・」
「あ・・あ・・・あ・・」

ふと土方の顔を見ると涙を浮かべガクガクと震えていた。

―涙もでるのか

その涙を拭おうと手を差し伸べたとき―

バチッ

その手を思い切り引っぱたかれた。
反射的だったのだろう。叩いた本人も驚いた顔をしている。

「あ・・・、ごめんなさ・・・・」

喋り方もいつもより異常に片言でかなり唇が震えている事が分かる。
そして高杉を見る目は怯えていた。

「・・っ!」

高杉は自分に対しての怒りを込めて舌打ちした。
土方から離れると何も言わず後処理し布団へと入る。

「高杉さん・・・」

土方はどうしていいか分からずそのままの状態で動けずにいた。
何度か高杉の名前を呼ぶが応える気配はない。
とりあえず腹に出された白い液体を拭き取ると、土方も同じように就寝した。



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