「あ、あれ総悟みてぇ。アイマスクだアイマスク」
沖田と土方は二人並び町内を徘徊していた。
ふと見上げた快晴の空。
指を差した先には雲。
その雲は沖田のアイマスクの形にそっくりだった。
「あ、あれ土方さんみたいですぜ」
同じく雲に指差した沖田だったが、その形はなんの変哲もない凄く小さな雲。
「あ?なんでアレが俺みたいなんだ?」
「だってあれちんかすにそっくりじゃないですかぁ」
「てめぇ・・・」
平然な顔をして言う沖田に土方の眉毛はピクピクと動いていた。
「あ・・・・」
沖田が雲をみて発せられた言葉に何かと思い土方も誘われるように上を向く。
すると、沖田の言う土方の雲がアイマスクの形の雲にひっついて二つの雲が一つになった。
「ひっついちゃったりしてー、どんだけ俺のことが好きなんですかぁ?土方さん」
「ばっ・・!なんでそうなるんだよ!」
土方の顔はみるみるうちに真っ赤に。
「おおおお前がひっついてきたんだろうが!」
「何言ってるんでさぁ。ちゃんと見てましたかい?あれは確実に土方さんからひっついてきましたぜぃ」
「〜〜っ!」
何か言い返したかったが言い返せない土方。
諦めたのかはぁとため息をついた。
「・・・・まぁ・・あの雲、もう離れなきゃいいけどなぁ・・・」
そう呟きながら沖田の顔を見る。
すると沖田の顔も真っ赤に染まっていた。
「総悟・・・?」
「たまに土方さんは凄いこと言うからびっくりしまさぁ」
手で口を押さえながら話す。
きっと恥ずかしくて顔を見られたくなかったのだろう。
「え、変なこと言ったか?」
自覚してない土方に今度は沖田がため息をつく。
「これだから無自覚は・・・そんなことだからアイツらに狙われるんでさぁ」
「へ?」
土方の腕を掴みグイっと引き寄せ軽いキスをした。
「!?」
いきなりのことで頭が回っていない様子の土方の耳元で囁く。
「あの雲のように、もう離れないでくだせぇよ?」
END
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あとがき
甘い沖土!珍しい!!(笑)
土方は無自覚に銀ちゃんとか誘ってる気がします(笑)