「へぇ。あれが鬼の副長、土方十四郎か・・・」

高杉は人目に付かぬ路地裏で大通りを歩く土方を見、持っている写真と見比べていた。

「ひっじかったくうううんんんん!!」
「・・・ち、またお前か万事屋・・」

土方は嫌な感情を隠そうともせず、全開に顔に表していた。
そんな態度をとっている土方にもめげず、抱きついている銀時。
そして、そんな様子を横目に見ながら、高杉は人ごみの中へ紛れ、消えていった―





夜。

今日神楽は志村家に泊まるらしく、銀時は珍しく一人だった。
ソファに寝そべりながら、愛しの人を思い浮かべる。
今日は忙しいのだろうか。誘ったら家に来てくれるだろうか。
来てくれないだろうな。どんな方法の誘い方を考えても来てくれる可能性は限りなくゼロに近い。
銀時は毎回の如くアプローチを繰り返しているのだが、どうも本気と捉えられていなかった。
最近なんてスルーされるのがオチ。
当の土方は銀時のことを良いように思っていなかった。
しかし、悪いようにも思ってはいない。長年の付き合いで、銀時の生き方を認められるようになったのだ。
だがそれでも恋愛感情などは一つも感じていない。
それを銀時も分かっていた。だから誘っても来ないだろうと推測したのだ。

それでもいつの間にか電話に手が伸びていた。
こっそりと土方の携番を聞いた銀時は時たま掛けて電話越しから怒られる。
覚えこんだ番号を押し、電話を掛ける。プルルルと鳴る電子音。
何故かいつも電話を掛けるとき鼓動が高鳴る。ドキドキと心臓が鳴っているのが自分でも分かる。
何度も電子音が鳴るが、一向に出る気配は無い。
いつも何だかんだと言いながら出てくれるはずなのに。
銀時の頭に不安が過ぎる。
大切な会議の時等は電源を切っているはず。
電子音が鳴るということは少なからず出れるはずなのだ。
おかしい。何度も何度も切っては掛けなおす。

そして、10回目。

『よォ・・・・』

電話から聞こえてきた声の主は土方では無かった。


「お前は・・・高杉・・・・?」











走る。走る走る走る。
息を切らし、がむしゃらに走る。


「なんでお前が土方の携帯に出るんだ・・・!」
『そんなの土方がここにいるからじゃねぇかぁ・・』
「だから、なんでお前が土方んとこにいるんだよ!!」
『あ?・・・気になったんだよなァ。どんな面して泣くのかと思ってよ』
「・・!!土方に何かしたらぶっ殺す!」
『ククッ・・・落ち着け銀時ィ。よく聞け』




―お前、土方のこと好きなんだろ?






「ここか・・・」


高杉に場所を教えてもらった、古い小屋みたいな家。
そこをギィと古い木の擦れる音を出しながらドアを開ける。
すると壁に寄りかかりながら煙管を加えている高杉と・・・

「てめぇ・・・土方に何をした・・・」

膝を床につき、両腕は上に上げられ縄できつく縛られ、目は布で隠され、耳にはヘッドホン。きっと大音量を流し、外の会話を聞こえないようにしているのだろう。
顔は少し赤く火照っている気がする。それは怒りの所為なのか、それとも他の理由があるのか。
銀時の姿を見た高杉はニヤリと笑い銀時の方に体を向けた。

「大丈夫だ。ちょっと薬飲ませただけだ」

そう言われた瞬間銀時の手が高杉の胸ぐらを掴んでいた。

「おいおい・・お前も触りたかったんだろォ?この男に」
「・・・っ!」
「本当は何をしようとしてたのか予想してたくせに」

そう言ってククっと笑う。
しかし銀時は何も言えず手の力を緩めた。




『お前、土方のことが好きなんだろ?・・・だったら三人で楽しいことしねぇか?』
「どういう意味だ・・・」
『とりあえず今から指定した場所に来い』


数分前、電話での会話。
本当は分かっていた。今から何が起きるか。
けど、知らない振りをしたかったのは、どこかで認めたくない自分がいたから。

「三人で楽しいこと」と言われた時、興奮で胸が高鳴ったなんて。

そんなこと認めたくなかった。
しかし眼前の光景はそれを否定することなんて出来るはずも無かった。

土方は顔を赤らめ息も荒くし・・・ズボンを穿いていても分かるくらいに一物は大きく勃ち上がっていた。
そんな土方を見て我慢なんて出来たものではない。

「目も見えてないし、音楽を大音量に流してるから俺たちの声も聞こえていない。好きなように触れ」

そう言って高杉は壁にもう一度寄りかかり銀時の行動を面白半分に監視するように見ていた。
こんなことはいけない。そう思っても体はいつの間にか土方の目の前まで来ていた。
右手でそっと頬を撫でる。すると土方はビクンと大きく震えた。

「だ、誰だ・・・」

消えそうな声で問いかける土方。

「土方・・・」

話しかけても反応は無い。
声はちゃんと聞こえていないようだ。
それが確認できた銀時は土方の顎を掴みそっと口付けをした。

「!?ふ・・んんっ」

驚いた土方だったが抵抗できるはずもの無くそのまま受け入れる形になる。
ずっと欲しかった唇。キスをした瞬間欲望が溢れ出た。
何度も何度もキスを繰り返す。舌を入れたり、噛み付くようにキスをしたり。
上手く受け入れられない土方の口からはだらしなく涎が垂れていた。

「ふ・・・ぁ・・・」
「土方くん、土方くん」

土方には聞こえることの無い声。しかし銀時は何度も何度も名前を呼ぶ。
無意識なのだろうが、土方の腰は早く欲しいと動かしていた。
それを見た銀時はスルリと土方のズボンを脱がす。

「淫乱・・・」

思わず声に出る。
土方の一物は完璧に勃っており、目隠しで表情は完全には見えなかったが、もの欲しそうな表情をしていることは、誰から見てもそう考えてしまう光景だった。

「はや・・く・・」

もはや土方も理性を失っていた。
薬を飲まされて体がだんだんと熱くなり、急に誰かに触って欲しい衝動にかられる。
しかし高杉は見ているだけで一度も触れようとはしなかった。
意識を失い(何故そうなったのかは覚えていない)薬を飲まされた時点でもう目隠しやヘッドフォンもされていたので今どこにいるのか、近くに誰が何人いるのかそれすら分からない状態。
ただ体だけがどんどん他人の体を欲してしまう。
両手は縛られ、熱くなった下半身を触ることも出来ない。
その時急に触れられた唇。
土方の理性は飛んだ。もっともっと自分に触れて欲しいと。

銀時はその光景にゴクリと唾を飲む。
自分の手を口の中に入れ十分に湿らせ、そして土方の両脚を上へ持ち上げ、ゆっくりと蕾へと入れていく。

「く、は・・・ぁあ・・・!!」

中指を付け根まで入れ、ゆっくりと起用に動かしていく。
一本、また一本と指の本数を増やしていくたびに土方は大きく腰を揺らす。

もうそろそろ良いだろうか。そう思い指を引き抜き自分の一物を取り出す。
そして挿れようとした刹那

「おい、ちょっと待て」

横から急に声が聞こえ体を止め、声のする方へと振り向く。
そこにはニヤニヤとしながら此方を向く高杉の姿。
そういえばいたのだと銀時は思い出す。
行為に夢中になり、高杉の存在を忘れてしまっていた。
高杉は土方に近づくと、上で縛られていた縄を切り、両手を自由にさせる。
そのまま土方の頭をガッと掴み床につける。土下座するような格好になり自然と尻が上へと上がる。

「俺を忘れんなよォ?・・ま、お前に下の穴くれてやる。俺は上の穴で我慢してやるよ」

そう言って土方の髪を掴んだまま上にあげ、二人の行為に興奮していた高杉は大きくなった一物を顔の前に持っていく。
両手が自由になったのにも関わらず、もう土方は拒否するという考えは思いついていないようだ。
高杉は土方の口元に自分の一物をちょんと当てる。するとそれが何か分かったかと思えば何の迷いも無く口の中へと入れる。

「ん・・・ふ・・・」

誰のかも分からない一物を土方は一生懸命口で咥え愛撫した。
そんな淫乱な姿に銀時も欲情させ、先ほど慣らした土方の中へと一気に自分のモノを入れる。

「ふ、んぁあ!?」

いきなり来た快感に土方は驚き射精する。
自分を犯していた人物は、一人では無かったのだ。
二人に犯されている事実を知った土方は、より体が熱くなっていくのが自分でも分かる。

「おいおい、入れただけでか。てか口、休むんじゃねぇよ」

そう言って高杉は土方を固定し、腰を上下に揺らす。
吐き気にみまわれた土方だったが、それすらも今は快感になっていく。
今の光景がどんな状況か目隠しされ実際に見れない為、自分が一人の一物を咥え、もう一人に突っ込まれている光景を想像する。
実際に見れないというのは想像をより大きくし、客観的に見るように全体を想像するので、羞恥をより感じやすくなってしまう。

「ん、は、あ、ふぁっ・・・」
「ひじ、かたっ」

銀時も一心不乱に腰を叩きつけ、土方の一物はまたすぐに立ち上がる。

「ひじかた、そろそろイきそ・・・ん!」
「は、あ、ぁ・・・!」

土方の中に大量の精液を送り込む。我慢していた欲望が発散され、中に納まりきれない精液が蕾からやらしく流れ落ちる。
高杉も限界だったのか、小さく呻き声を上げると、土方の口にぶちまけた。
初めて味わう独特の苦さに、思わず口から零してしまう。

「ククッ・・上も下もだらしねぇなァ・・・銀時ィ、交代だ」










どれくらいの時間が経っただろうか。
土方の声は殆ど嗄れ、小さな喘ぎ声しか聞こえなくなっている。
床には誰の精液だか分からないくらい大量に散乱していた。

「ゃ・・・め・・・ぁ、ぁ・・・」

小さな声で抵抗する土方。
最初の頃は快楽だったが、今はもう快楽が苦痛になっていた。
しかし、心は嫌がっているのに体は反応してしまう。
もう色も無くなってきた精液がちろちろと流れ出している。

「も・・・・い、や・・・」

フッと視界が暗くなる。意識も遠くなり、何もかも見えなくなった。


「気絶したか?」

土方の蕾に繋げ、腰を振っていた高杉がふと動きを止める。

「・・・結構楽しかったぜ。あとは好きにしろ」

気絶しては面白くないのか、意識が無いのが分かると一物を引き抜き、後処理を手際よく済ませ、服を整えながら銀時にそう言葉を吐き捨てる。

ドアが閉まり高杉の姿も消え、銀時は呆然と立ち尽くすが、頭が段々冷え、今までの行為が蘇ってくる。
自分の欲望のままに土方を抱いてしまった。高杉と、まるで玩具のように。
後悔が重くのしかかる。
目隠しとヘッドフォンを外し、土方くんと体を揺すりながら何度も呼ぶ。

「・・・よろず・・・や・・・?」

少しずつ覚醒していく体。

そして、自分は最低な男だと思ったが止めようとはしなかった。











「一体どうしたの?何があったの?」
「万事屋・・・!」

今にも泣きそうな目で銀時を見つめ、そして今までのことを思い出し恐怖で思わず銀時に抱きつく。
それを優しく受け止め、銀時は笑うのであった。




「俺が、守ってやる」









END
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あとがき。
蓮さまのリクエストで高→土←銀の通常設定裏3Pでした。
高杉と銀時を入れた通常設定って案外難しい・・・!!
結局最後は何も知らずに俺は助けてやったんだぜ惚れるだろみたいなことを銀ちゃんは主張しているわけで、まんまと土方も騙されちゃいます。
そんでまた高杉が現われて「付き合えたのは誰のおかげだ?」なんて言って永遠と3Pすればいいと思います(爆)
なんか鬼畜になってしましましたが書いてて楽しかったです^^*
蓮さまのみお持ち帰り可能です!!
リクエスト有難う御座いました!!


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