はじめに。

近親相姦ですのでご注意ください。

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「ただいま」
「銀兄おかえり!」

大学に入り独り暮らしをし始めて約1年。
久しぶりに実家に帰ってきた。
俺には中学生の十四郎と小学生の総悟という弟がいる。

「ちょうど今夕食が出来上がったところよ。さ、上がって上がって」

そう母に急かされ食卓へと向かう。
するとそこには既に総悟が座っていた。

「ただいま」
「おかえり・・・」

どうやらご機嫌斜めみたいだ。
十四郎は俺のことを好いているが、どうも総悟には昔から好かれていない様。

総悟の隣りに十四郎、十四郎の向かいに俺で俺の隣りが母という具合に座っている。
家族4人で手を合わせ、声をそろえて「いただきます」と言う。
ちゃんと食べてる?大学はどう?など俺の話題中心な話をしながらにぎやかに食べていた。

「総悟、口の周りに沢山ついてるぞ」
「取ってー」
「しょうがないな〜」

そう言って笑いながら十四郎は総悟の口の周りに付いていたご飯粒を取っている。
実家に住んでいるときはいつもみていた光景。
でも何故か今見てみると凄い壁を感じた。
ズキンズキンと心臓が痛む。
あぁやっぱり帰って来るんじゃなかった。これが嫌で家を出たようなものなのに。

俺は自分が高校生の時、十四郎に家族としての「好き」とは違う「好き」になっていることに気付いた。
十四郎が笑う度に胸が締め付けられ抱きしめたい衝動に駆られる。
その唇に触れたい。それ以上のこともしたいという気持ちにまで。
このまま同じ空間にいたら危険だと感じ、少し遠い大学を選び独り暮らしをすることにした。
そして今、総悟に嫉妬している。ほんと、自分はどうかしてる。
まだ食事は半分しかしていなかったが、もう食べる気はしない。

「ごちそうさま」

箸を置き席を立つ。

「あら、もういいの?」
「あー、実はちょっと食べてきたんだ」

そう言って2階へと上がる。
元々2階には俺の部屋と総悟と十四郎の共同の部屋があった。
しかし俺が出て行った後も部屋はそのままらしい。
どうやら総悟が一人は嫌だからとかなんとか言って未だに二人部屋。
俺もブラコンだが総悟も大概ブラコンだと思う。
自分の部屋に入りベットに寝転ぶ。なんだかこの部屋の感じや匂いが懐かしい。
枕に顔を埋めながら久しぶりの実家を懐かしんでいるとコンコンとドアをノックする音が聞こえてきた。

「銀にぃ・・?」

ドアの向こうから聞こえてきたのは十四郎の声。
俺は飛び起きドアを開けた。

「どした?」
「ちょっと銀兄と話したくなって」

そう言ってヘラっと笑う。キュンとするだろコノヤロー。
部屋に招き入れベットに並んで座る。

「銀兄何かあった?」
「え、なんで?」
「だって食べてきたとか嘘でしょ?」

あぁどうして。
どうしてこうも見透かされてしまうのか。


気が付けば俺は十四郎を押し倒していた。

「銀・・・兄・・・?」
「とうしろ・・・」

ずっと触れたかった唇に口付ける。
十四郎は目を丸くし驚いていた。まぁ当たり前の反応だよな。
多分脳がまだ理解していないのだろう。
ピクリとも動かず、かちんこちんになってキスに耐えているようだった。
ゆっくりと唇を離していく。

「なん・・・で・・」

押し倒されたまま問うてくる。
もう今までの関係は無くなるのかな。そう思うと我慢なんてどうでもよくなってきた。

「十四郎が好きだから」

そう言って十四郎のシャツを捲り上げ、露になった突起を舐める。

「ひあっ・・!」
「あれ、立ってる」

指で突起を弾くとビクンと十四郎の体が反応。
その反応が可愛くてもう自分の体は止めることが出来ない。

「十四郎とエッチしたい」
「っ!!」

十四郎は身の危険を感じたのか身構える。しかしそれが無駄だということには気付いていないようだ。
それでも、逃げようとはしなかった。それとも逃げることができないのか、それは分からない。
突起を愛撫し続けていると十四郎の両腕が俺の頭に周り、ぎゅっと髪を掴んだ。
顔は赤く火照りぐっと目をきつく瞑って抱きついてくる。
そっと十四郎の股間を触ってみると、僅かだが勃起している。
これは・・・期待しても良いのだろうか・・・

「ぎんにぃ・・・」

涙を浮かべながら何かを訴えるように俺の名前を呼ぶ。
俺はシャツを脱がし胸、首、唇、ゆっくりと時間をかけて愛撫する。
十四郎は小さな声を出すが、その行為を受け止めているように見えた。

ガチャ

「銀兄、トシ兄、母さんが呼んで・・・」

やばい。
そう思っても後の祭り。
総悟は目を見開き俺たちのことを見ていた。
十四郎もまさかというような顔で総悟を見ている。
俺もまさかだ。総悟が俺の部屋にくるなんて思わなかった。

「そ・・ご・・・」

十四郎が名前を呼んだ途端、バタンという音と共に総悟は姿を消した。
遠くからばたばたと階段を下りる音がする。
え、ちょっと待った。親に言うとかないよな?

「銀兄・・・どうしよ・・・俺・・・」

同じ事を考えていたのか俺を心配そうに見てくる。
まぁそれも心配なんだがそれより・・・

「ごめん、お前は何も悪くない。ごめんな」
「銀、兄・・・」

後悔したって遅い。何もかも手遅れ。
深いものはしてないものの、もう十四郎はいつものように俺を見てくれることはなくなるだろう。

「総悟と話してみる。既に親に話してたら全部俺が悪いって話すから。ちょっと待ってろ」

そう言って立ち上がると腕をグッと掴まれる。

「あの、さ、」

下を向いたまま途切れ途切れに話す。

「よく、分かんないんだけど、なん、か、えっと・・・」

なかなか前に進まない状態だったが、俺は黙って待っていた。

「びっくりしたけど、あんまり、嫌じゃ、なかった」
「それって・・・」

続きを言おうとして戸惑った。
十四郎は複雑な顔をしてたから。

「俺は銀兄が好き。兄弟として誇りに思ってる。だから嫌じゃなかったんだと・・・思う。」

その言葉からは完全に俺のことを「兄」として見ていてる。

「銀兄も同じ気持ち?」

俺の顔を見、聞いてくるその目は真剣そのもの。

俺は―

掴まれている腕をゆっくりと解く。
ドアに向かいとってに手を掛けた時に後ろを見る。

「俺は、十四郎のことを弟としてみてないよ。・・・愛してるんだ」

好き。じゃなくてアイシテル。微妙に違う言葉の綾。
その意味を受け取ったのか、十四郎はそれ以上何も言わなかった。

「とりあえず、総悟のとこに行ってくるから」


―あぁ。進んでしまった。弟として好きだと言えば引き返すことは出来たのに。
もう後戻りなんて出来ない。
今まで見えていた道。それが真っ暗になりどこを進んでいるのか分からない。
それでも俺はもがきながらも前へ進むことを決めたんだ。



continue....



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