「土方十四郎・・・」
坂田銀時という少し面白い人間を調べていると、この名前をよく聞く。
「阿伏兎、コイツのことちょっと調べてくれないか?」
人差し指と中指で土方が写っている写真を挟み、阿伏兎に渡す。
「こいつは真選組の・・・」
「土方十四郎っていうらしい。あの銀髪の侍と何か関係があるみたいなんだ。ちょっと気になってね」
そう言ってニッコリと笑う。
その笑顔は毎回恐ろしいと阿伏兎は感じていた。
「分かった」
口答えをしたらひとたまりも無い。
その依頼を承諾し、神威に背を向けた。
「どうやら坂田銀時と土方十四郎は恋人関係にあるらしい」
「・・・やっぱりな」
数日後、調べた結果を神威に話す。
その話を聞いた神威はニヤリと笑った。阿伏兎の背中に悪寒が走る。
―本当に恐ろしい奴だ。何を考えてるか全く分からねぇ。
「土方を捕まえ、監禁する」
「なに?」
「何か文句ある?」
「いや・・・」
急に何を言い出すかと思えば土方を監禁だと・・?
「明日、動くぞ」
「明日?」
「早く会いたいんだ。土方という男に」
あの侍を虜にした男。
写真を見る限りでは気が強そうだ。
黒髪にきりっとした眉毛、力強い目。
コイツを恐怖でいっぱいにしてやりたい。
あの侍はどんな反応をするのか。
考えただけでゾクゾクとする。
土方は夜の街をタバコを吸いながら一人歩いていた。
「お兄さん、お兄さん」
自分のことか?と振り向くと三つ編みにしたオレンジ頭の男がニッコリと笑顔を作り立っていた。
「俺と一緒に遊ばない?」
「何言って・・・っ!!」
光の速さで土方の懐へともぐりこみ、腹を思い切り殴る。
一瞬の出来事に訳も分からず土方は意識を遠くした。
「阿伏兎、運んでくれ」
「あぁ」
左肩に担ぐようにし、土方を連れて行く。
さて、、
ナニヲシテアソボウ?
END
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