はじめに

土方が異常愛です。
流血表現あります。

ご注意。

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ガチャ。

「は・・あ・・んあ・・・」

近藤は仕事から帰り自宅のドアを開けると奥の寝室から甘い声が聞こえてきた。
ゆっくりと寝室に近づきドアを開ける。
すると
土方と見知らぬ男が抱き合っていた。
ドアの開けた音に抱き合っていた二人は振り向く。

「あれ、君の彼氏帰って来ちゃったよ」
「ほっといて良いから・・早く続けて・・・?」

土方は近藤がいるのにも関わらずそう言うと、上にいた男はそれに従い、ぱんぱんと規則的な音を鳴らしながら絶頂へと導いた。
その行為を半ば唖然と見つめていた近藤だったが、ハッと我に返りこの部屋を出て行った。

「ぁあ!!イく・・・っ!!」

どぴゅっどぴゅっと土方から白い液体が飛び出す。
男もピストンを速め勢いよく抜き出すと、土方の腹の上に精液を吐き出した。





「じゃぁ彼氏も帰って来たみたいだし俺は帰るね」
「うん、今日はありがとう」
「また来てもいいか?」
「・・・うん」

後処理を済まし男は着替え、次の機会もあることに安堵し土方に軽いキスをすると帰って行った。
土方はトランクスだけ穿くと近藤のいるリビングへと足を運ぶ。

「おかえり」

ソファに腰掛けている近藤に笑顔で話しかけるが近藤は土方の方を見ようともせず黙っている。

「どうして・・・」

今にも泣きそうになっている近藤。
その光景に土方は満足していた。
隣りに座り横から抱きつく。

「ごめんね、もうしないから」
「もう何回目だよその言葉・・・っ!」

文句を言い終わる前に土方は近藤の唇に吸い付くようにキスをした。
体重をかけソファに押し倒す。激しいキスを交わし体を離す。

「もうしないから」
「・・・・・」
「嫌いになった?」

悲しく言うと近藤は乗っかっている土方を抱き寄せた。

「トシのこと嫌いになるはずないでしょ」
「好き?」
「大好きだよ。だからもう今日みたいなことは止めてくれよ?じゃないと・・」
「じゃないと?」
「俺・・・心配でトシのことで頭がいっぱいになっちまう。もうトシのことしか考えられないよ」

トシのことで頭がいっぱいになっちまう。
その言葉を聞いた途端土方は溢れんばかりの笑顔になった。
自分の一番欲しいもの。
それは近藤の頭の中を自分でいっぱいにすること。
わざと他の男とセックスすることで嫉妬して自分に依存してくれるようになる。
しかし、毎回同じような台詞を聞くが、土方は満足していなかった。

きっと100%頭の中は俺じゃない。少しでも他のことを考えるだけで自分は嫉妬の渦に巻き込まれてしまう。
もっと、もっと、俺でいっぱいになって欲しい。
そう願っていた。


「ん・・・」

近藤は土方の首筋に沢山の赤い痕を付けていく。
これは俺のものだと言わんばかりに。

「トシ・・・もう触らなくても分かるぐらい勃ってるぞ」
「だって俺は近藤さんとキスするだけでイっちゃいそうなんだもん」

そんなことを言われて興奮しないはずはない。
近藤はぐわっと起き上がり土方を押し倒す。先ほどと立場が逆になった。

「近藤さん、もっと沢山痕を付けて欲しい」

その言葉通りに近藤は土方の首筋に唇を這わすと何度も何度も痕を残した。
数が増えるたびに愛されている証が増えていく。
それが土方は嬉しくてたまらない。

「もうそろそろ我慢ができん」

そう言うと近藤はズボンを脱ぎ、土方のトランクスも脱がし裸の状態になった。
土方は近藤の大きな一物を見ながら興奮に喉をゴクリと鳴らした。

「早く・・・」
「ダメだよ慣らさないと」
「大丈夫、さっきヤって慣れたから・・」
「・・・・・」

近藤はその言葉を聞くやいなや不機嫌な顔になってしまった。
しかし土方は動じない。
それよりも、嫉妬し怒っている近藤に逆に興奮してしまう。

「分かった」

低い声で近藤が答えると、一気に一物を土方の蕾へと入れた。

「ああああ!!」

先ほどで慣らしたとはいっても、急に勢い良く入れられると痛い。
激痛に耐えていると、容赦なく近藤は動かし始める。

「あ、待って・・・っ!!」
「もう慣らしてあるんだろう?」
「そう・・だけど・・ひあぁ・・!」

近藤は土方の一物を扱きながらがんがんと攻め続け、二人は絶頂が近くなっていた。

「はぁ・・あ、もう・・だめぇ・・・」
「トシ、俺もイくぞ・・っ!」
「んぁああああ!!」
「く・・っ!」

ほぼ同時に達する。
はぁはぁと息を荒げる二人。
するとハッと我に返った近藤はおそるおそる土方の顔を覗き込む。

「ご、ごめん」
「何が?」
「酷い抱き方しちゃって・・・嫌じゃなかったか?」
「全然嫌なんかじゃないよ、むしろ逆」
「え?」

酷く抱かれれば抱かれるほどに愛を感じる。
きっと自分で頭がいっぱいになっている。そう土方は確信していた。








「じゃぁ仕事行ってくるから」
「え?」

翌日、いつものように朝食を済ませ仕事に出かけようとする近藤。
しかし土方は意味が分からないというように近藤を見ていた。

「なんで・・」
「なんでって今日はまだ平日だぞ?休みは土日しかないからな」
「嫌だ!近藤さんは俺と一緒にいなきゃだめだ!俺のこと好きじゃないのかよ!!」

公務員の近藤は平日仕事なのは当たり前。
なのに怒り出す土方に近藤は理解が出来なかった。

「何言ってるんだ。大好きに決まってるじゃないか。トシもいまから大学行かなきゃ」
「嫌だ。行かない。近藤さんと一緒にいる。嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ・・・」

土方はしゃがみこみ頭を抱え嫌だ嫌だと連呼し続けている。
いつもとは違う雰囲気に近藤は恐怖すら感じていた。

「分かった。じゃぁ今日は休むって連絡しとくから、今日はずっと一緒にいよう?」
「本当・・・?」

ガタガタと震えだしていた土方はピタリと止め近藤を見上げる。
今この状態で土方を独りにさせる方が危険かもしれない。
そう思った近藤は仕事を休むことに決めた。

しかし、その日だけだと思っていた土方の行動は翌日も続いていた。
仕事に行こうとすると、先ほどまで普通だったのに、いきなり異常なまでの怒りと震え。
近藤でも抑えることが出来ない。



他の男と寝るようになってからはトシは変わった。
初めて会った時は恥ずかしがりやで可愛いなと思っていた。
それからというもの自分を見るなり顔を赤くし、すぐに自分に気があるのだということが分かった。
俺から告白したときは泣いて喜んでくれて。
付き合って間もないころは本当に幸せだった。
キスをするだけでも恥ずかしがったり。
どうしてこんなことになってしまったのだろう・・・。



今までのことを思い出し、しょうがなく今日も仕事を休むことにした。
そうしたら少しでも前の土方に戻ってくれるのではないか。そんな期待も込めて。
やはり休むというといつもの土方に戻る。
でもずっと仕事を休む訳にはいかない。これ以上土方を甘やかさすのもいけない気のしていた近藤は明日は何があっても必ず行くと心に誓った。





その夜。
二人は同じベットの中で寄り添って寝ていた。
近藤は大きないびきをかいて寝ている。
しかし土方は全然眠れなかった。

まだだ。
近藤さんは俺のことまだ愛してくれていない。
毎朝仕事に行こうとするのだから。
どうすれば近藤さんの頭のなかは俺でいっぱいになってくれるのだろう。
ふと思いついた提案に土方は興奮と笑みが零れた。
キッチンへと急ぐ。





「近藤さん・・・」
「ん〜?どうしたトシぃ〜」

寝ている近藤を何度も呼び起こす。
近藤は寝ぼけながらも起き上がり土方を見た。
土方は左手を出し、手首に包丁を当てていた。

「トシ・・・!!お前なにやってるんだ!!!」

急いで包丁を奪おうとした時。
土方は近藤に微笑んだ。
付き合って間もない頃の、優しい顔。
近藤の頭は一瞬停止してしまう。







ポタ・・・ポタ・・・

我に返った時には、目の前は血の色で溢れていた。
土方の手首から大量に血が流れ始める。
それと同時に土方は床にバタリと倒れた。

「トシ!!!!トシ!トシいいい!!!」

土方を抱き上げ何度も大きな声で叫ぶ。
早く救急車を呼ばなければ。
どんどん出てくる血に、自分までも血の気が引いてくる。
助かるのだろうか・・・・?不安で涙が止まらない。
すると、土方の口が開いた。



「こんどうさん・・・・・・おれ・・・いま・・・すごく・・・しあわせだよ・・・・?」





自分の名前を何度も何度も呼んでくれる。
きっと今近藤さんの頭の中は俺しかいないのだから。











END

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あとがき。

異常な依存愛を書いてみたかった。
攻めの異常愛はよくあるけど、受けの異常愛ってどんなんだろうなぁって思ってたらこんなことになりました(苦笑)
この後土方は死んでしまったのか一命を取り留めたかは読者様におまかせします。

最後まで読んで頂きありがとうございました!!


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