はじめに。

銀時がかなり性格が悪いです。
それでも大丈夫な方のみどうぞ
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「なぁ・・・もし俺がお前のこと好きって言ったらどうする?」
「・・・は?」
「いや、何でもない、忘れてくれ」
「・・・・」


この時俺は、本気なんだって思った。

だったら

いつも偉そうにしてるコイツを
俺の手の中で転がしたいと思った。



「あー、もしそう言われたら付き合うかも」
「え・・・」
「土方くんは、俺と付き合いたいの?」


あぁ、笑ってしまいそうだ。

顔を真っ赤にした土方くんは恥ずかしそうに頷いた。






「土方くん、俺のこと好きならそこでオナニーして魅せて」
「なっ・・・!」


あの日から、俺と土方くんは付き合うことになった。
暇なときに呼び出して、セックスする。感度も締め付けも悪くない。良い玩具が
手に入った。

反抗すれば″別れる″とか″ホントに俺のこと好きなの?″とか言えばいうこと
を聞く。
単純で、俺に必死で本当バカだ。

今も″じゃぁ別れる?″なんて言えばおずおずと自分のチャックを開け始めた。



「くっ・・・はっ・・・」
「俺に見られて感じてる?」

そう言うと何度も頷いた。
これが鬼の副長?笑わせる。






***


かぶき町を歩いていると、煙草を吸いながらフラフラと歩いている後ろ姿の土方を発見した。
後ろから見ても分かるくらい疲れているようだったが、俺には関係ない。
土方くんに近づくと、そのまま抱きついてやった。


「やぁやぁ奇遇だね〜今日も一発ヤっちゃう?」
「銀時っ・・!・・今日はちょっと・・・」
「なに?口答えすんの?」


いつもならすぐ頷くのに何なの?腹立つ。
ぐいっと腕を掴み路地裏に連れていく。
壁に思い切り土方の背中を叩きつけるとベルトに手をかける。

「ちょっやめろっ・・!今日はダメだ!」

煩いなぁと思いつつ、抵抗する土方を押さえながら下に着ていたものを全て脱がす。

手を土方の蕾に入れた時、なにか違うものを感じた。

ヌルッ

手を引き抜くと白い液体。
その液体は土方の蕾から太ももへとたらたらと流れ出す。
それが精液だと分かるのに時間がかかった。
もちろん、俺のものではない。

「なんだよ・・・これ・・・」

いつのまにか声に出ていた。
当の土方は泣きそうな顔をしている。
なんでお前が泣きそうな顔するんだ。


「あー・・・そうか。俺以外にもいたのね」
「ちがっ・・・」
「何が違うの?こんなにたらたらと他人の流しちゃってさ」
「ぎん・・・違うんだっ俺・・・」


言い訳されるのがうざくて思いっきり土方の膝裏を掴み持ち上げ、俺のちんこを土方のアナルへ入れてやった。

「ぅあっ!いたっ・・・」
「さっきまでヤってたんならいきなりいれても大丈夫だよなぁ?」

そう言って思いっきり抜き差しする。
相手のことなど考えず、自分の欲望のまま動く。

「俺はなぁ、別にお前のことなんて好きじゃないんだよっ」
「え・・・」

なにびっくりした顔してんの。
自分だってそうなんじゃないの?

「男が好きとかキモいんだよっ、色んな奴とヤってほんと淫乱だなぁ?ああ!?

「ひっ・・・んあぁ・・・」

良い玩具見つけたと思ったのに、俺も遊ばれてた訳?むかつく、ムカツク。
一心不乱に腰をふり続けた。

「お前のことなんかなんとも思ってねぇんだよ!むしろ嫌・・・」

そう言って土方の顔を見た時だった。

一瞬、ゾクリとした。
感情の無い人形みたいに、無表情で冷たい目。
左目からはツーっと涙がこぼれていた。

その表情に驚き体が停止してしまう。

すると土方は無理矢理笑顔を作った。

「お前が俺のことを好きじゃないのは気づいてた。でも、それでもお前と一緒に・・いたかったんだ。」

ズキン

心臓が押し潰されたかのような圧迫感。
息が苦しい。うまく呼吸ができない。
この感情がなんなのか分かったが認めたくなかった。いや、認めてはいけない。

俺は舌打ちすると土方から抜き取り、万事屋へと帰った。






一週間後。

あれからは全く会っていない。
なぜ俺があんな思いをしなくちゃいけないんだ。
アイツが全て悪いんだろうが。


「旦那ぁ入りますぜィ」

そう言って沖田がのこのこ入ってきやがった。
勝手に入るのやめてくれない?というと「すいやせんでした」と棒読みで答える。
ホント生意気な奴だ。


「最近、土方さんとはどうなんですかぃ?」
「お前・・・知ってたのか」
「あ、やっぱり土方さんとはそういう関係だったんですねェ」


やられた。口の達者な奴だ。
俺はフンッと言って肘を付き明後日の方を向く。

「実は土方さんに、もし俺と万事屋が付き合ったらどう思う?なんて顔を真っ赤にして聞かれたことがありましてねェ」

アイツは馬鹿か。
そんな質問バレバレじゃねぇか。
告白された時のことを思い出す。
あの時もアイツは「もし俺がお前のこと好きって言ったらどうする?」なんて聞
いてきて。
って・・なんで昔話始めちゃうの俺?

「最近土方さんアレが忙しくてね・・・部屋にも籠りっぱなしだし、あのままじゃ心配なんでさァ」

自分にムカついて頭を強く掻いていると、柄にもなく沖田くんが心配だと口にした。

「アレってなんだよ」
「え、旦那知らないんですか?」
「・・・知らねぇよ」

知ってるのが当たり前みたいに言うなと心でツッコミながら答えた。
しかし沖田くんが心配するぐらいだ。よっぽどのことなんだろう。

「実は・・・土方さん、幕府の玩具にされてるんでさァ」
「玩具・・・?」
「そ。まぁ簡単に言うと幕府のお偉いさん方に毎晩のように無理矢理ヤられてるってことですよ」
「は?」

なんだそれ、聞いてないんですけど。
いや・・・聞かなかったのか。
あの時、土方は何か言おうとしてた。でも俺はそれを聞こうともしなかった。
頭の中がぐるぐるして酔いそう。

「じゃぁ俺は失礼しますぜェ」

そう言って沖田くんは帰っていった。
一人になり天井を見上げる。
あの時の涙。幕府にも俺にもアイツは拒否権なくヤられていた。
そして俺の言葉でぷっつんと糸が切れたのだろう。
感情を持たない顔、冷たい目。あの時アイツはどんな気持ちだったのだろうか。

あーもうなんでこんなに考えなきゃいけないんだ。「あー」と叫ぶと同時ぐらいに呼び鈴が鳴った。
なんとなく、アイツじゃないのかなと思った。

「銀時・・・」

玄関を開けるとやはり土方だった。

「何?」

出来るだけ冷たく言う。

「銀時、ごめん。でもやっぱり俺には銀時が「帰れよ」

言い終わる前にそう吐き捨てた。

「帰れよ、嫌いだって言っただろ」
「ぎん・・・」
「帰れって言ってんだよ!!!」

怒鳴りつけると、土方は体をビクンと揺らし、泣きそうな顔して俺を見る。
少したった後、諦めが付いたのか後ろを向き、俺の視界から姿を消した。

玄関を閉め、部屋に入ると俺はしゃがみこみ頭を抱える。




お願いだから。
これ以上俺に近づくな。
もし、これ以上お前と話してしまうと俺は・・・


俺は、お前のことが―――。







END
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あとがき。

みかんさまのリクエストで
土方の片思い設定。銀時が遊びで付き合って、愛のない裏というリクエストでした。
片思いって難しい・・・!
かなり性格の悪い銀ちゃんになってしましましたが
最後は好きになりかけて、でも認めたくない自分と戦ってる感じで終わりました。
みかんさまのみお持ち帰りOKです!
リクエスト有難う御座いました!!

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