明日は金時が久しぶりの休暇。
高校生になって一人暮らしをはじめた俺の家に泊まるそうだ。
ホストを職業とし、現在No1の金時はなかなか休む暇がない。
それでも休暇をとってくれた。
俺は嬉しくて早く明日にならないかと願ってしまう。

そうだ、
どうせなら明日御馳走作ってやろう。
今日は休みだし、大江戸ストアにでも材料買いにいくか!

俺は弾む気持ちを抑えながらドアを開けた―。





―今行くんじゃなかった。
目の前に金時と知らない女が歩いている。
二人共腰に手を置いて。
その女に笑顔を向けている金時を見た時、無性に泣きたくなった。
大人な二人、子供な俺。それをひどく感じた。

分かってる。仕事だって、分かってる。
それでも、その笑顔を他の奴に向けて欲しくない。
これは我侭なんだろうか・・・

たまに分からなくなる。
本当に俺はアイツの大切な存在だろうか、と。

だめだ、こんなこと考えちゃいけない。
信じなきゃ。


***


「おお!オムライス!めっちゃ上手そう!!ケチャップでハート作って!ハート作って!」
「うるさいなぁ〜。マヨネーズで書いてやる」
「やめてええええそれだけはやめてええええ!!!!」


次の日、約束どおり金時は家に来た。
ふざけたことを言いながら笑いあう。
久しぶりの二人の時間に、俺は幸せだった。

小さな机に向かい合い、手を合わせ、いただきますと言った時だった。

プルルルル・・・

金時の携帯が鳴る。
取り出した携帯は仕事専用の携帯。
あ、すまんと俺に背中を向けて電話を取った。

「あ、もしもし愛美ちゃん?・・・うん・・・うん・・・あー明日?良いよ、どこにする?・・・うん・・」

同伴のお誘いだろう。
せっかく二人でいるのに、俺と金時の間が遠い気がして、泣きそうになった。
手を伸ばせばすぐに届きそうなのに、触れることに躊躇してしまう。

「ごめんごめん、じゃぁ気を取り直して・・いただきま・・」
「もういやだ・・・」

もういやだ、こんなの。
毎日毎日嫉妬して、休みの時だって客から電話きたりして、独り占めなんてできない。
涙が一筋流れると止まらなくなった。

「ど、どうしたよ急に」

急に泣き出した俺にびっくりしてあたふたと俺に近づき抱きしめる。
他の女にもこんなことをしているのだろうか。
そう思うとイラっときて金時を突き放した。

「他の女にもしてるんだろ?」
「は?」
「色んな女手玉にして、抱いたりとかもしてるんだろ」
「なっ・・・」

違う、そんなことない。
だったら歌舞伎町のNo1になんかならない。
でも、止まらない。

「俺のことだって、どうせ遊びなんだろ・・・遊びで抱いたりしてんだろ!」
「お前・・・そうやって俺のこと見てたのかよ!」

ガッと強く金時は俺の胸ぐらを掴んだ。苦しい。
上から見下ろしてくる顔は眉間にしわを寄せてかなり怒っているのが分かる。

「もういやだ・・・嫉妬ばっかしてる自分が・・・いやだ・・・」

涙で前が見えない。
金時はどんな顔をしてるんだろう。
このままじゃ俺、金時を傷つけるばかりで迷惑になる。
それだったら、もう・・・・

意を決して口を開いた瞬間、金時にきつく抱きしめられた。

「きん・・・」
「俺だってな、狂っちまうくらい嫉妬してんだよバカ」
「え・・・?」

金時の手が俺の涙を拭ってくれる。
見えてきた金時の顔はまだ怒ってたけど、いつもの優しい金時。

「前に十四郎を高校まで迎えに行っただろう?俺を見つけてこっちに向かってくる十四郎がキラキラしすぎててさぁ・・・・」
「・・・は?」
「女なんかお前を見るたび目をハートマークにしてやんの」
「・・・目の錯覚だ」
「いやいやいや!こーんな顔してお前の顔見てるんだって!」

そう言ってなんとも間抜けな顔して俺に見せる。
その顔にぷっと笑ってしまった。
そして、俺と同じように嫉妬してくれてた金時が嬉しかった。
俺だけじゃなかったんだ。

「絶対誰にも渡さねぇってその時思ったね。十四郎は俺のだ」
「・・・・」
「けど、お前と会ってるのに仕事の携帯に出たのは悪かった、すまん」
「そんな・・・金時は悪くない・・」

なんて俺は子供だったんだろう・・・
金時がすごく大人に見えて急に恥ずかしくなり顔を伏せる。

「可愛い」

頭を撫でられる。
すごく子ども扱いされた気分だ。

「可愛くない」
「可愛い」
「可愛くない!!」

金時を突き飛ばし、ぷいっと明後日のほうを向く。
ちらっと金時の方を向くと目が合う。
にこっと笑顔を向けられ顔が熱くなりまたそっぽを向く。
あんな笑顔反則だろ・・・・
だからあんなモテるんだろうなとぶつぶつつぶやいていたら、後ろから抱きつかれた。

「俺のこと、嫌いになった?」
「・・・・嫌いじゃない・・・」

不安だった。
でもそれを跳ね返すぐらい、金時の愛情を感じた。

「好き?」

金時がニヤニヤしながら聞いてくる。
コイツ・・・俺がなかなか正直に言えないこと知ってて言ってやがるな・・・

顔だけ金時に向ける。目が合う。
口を開くと唇が震えてる気がした。

「好き・・・」

二人の顔が近づく。
唇に感じた感覚が、凄く暖かかった。




***

「あ・・・きんとき・・・・」
「2本目入ってるよ、分かる?」

こくこくと頷く。
俺の中に金時の指がいやらしく動いている。
はやく、もっと、金時を感じたい。

「んぁ・・・はや・・・く・・・ほし・・・」
「だめだってちゃんとならさないと」

指を増やされバラバラに動かしている。
それが気持ちよくてどんどん締まってしまう。

「きん・・・こっちも・・・」

そう言ってすでにおっきくなっている自分のソコを触る。

「はいはい。もうなんで十四郎はこんなにエロいの?」

金時はもう片方の手で俺の一物を触り扱く。
エロくないって否定したかったけど、そんな余裕は無かった。
二つの快感が一度にきてなんかもうおかしくなりそ・・・・

「ひぁっ・・・も・・・」
「イっていいよ」
「ぁ・・・ぁ・・・きんときぃ・・・ぁああ!!!」

精液が飛び俺の腹に落ちる。
この開放感がたまらなくイイ。
キスをしてくる金時にむさぼりつくようにキスに応える。

「入れるよ」
「うん・・」

金時のモノが入っていく。
全て入るまでキスを続けてくれて、それに集中してあまり痛さを感じなかった。
全て入ると、ゆっくりと動いていく。

「は・・・ぁ・・・」
「痛い?」
「だいじょ・・・ぶ・・・」

心なしかいつもより優しい気がする。
俺の気のせいだろうか?
そんなことを思っているとどんどんとピストンが早くなっていた。
なんだかいつもよりも感じちゃってまたすぐイきそう。

「ゃ・・・・また・・・イくぅ・・・・!」
「良いよ。俺もすぐイくから」
「あぁ・・あ・・・も・・・・!」
「・・・っ!」

俺は達し、中で何かを感じる。
金時が射精したんだろう。
俺は金時もの。中だしされて、そう強く感じた。
息を整えながら、金時が口を開いた。

「こういうことするのはお前だけだからな」

そう言って頭をまた撫でられた。
全く、いつもそうやって俺を子供扱いしたみたいに・・・・
でも。それでも金時の言葉は凄く嬉しかった。

「・・・じゃぁもう一回シよ」
「・・こ、これだから高校生は・・・・」




***


朝。
隣りで十四郎は可愛い寝息をたてていた。
俺と同じように嫉妬してたのかと思うと嬉しかった。
だけどやっぱ子供だなと思い微笑む。

十四郎の寝顔を見ているとふと思いつき仕事用の携帯を取り出す。


「あ、もしもし?あのさ、ホント悪いんだけど、今日凄く大事な用が出来ちゃって・・・・うん・・・ごめんね・・・・うん・・・この埋め合わせは必ずするから!」

バイバイと言い電源ボタンを押す。

「とーしろ。今日は仕事までずっと一緒にいような」

そう言いながら手を十四郎の髪の毛に絡まらせサラサラと撫でた。
寝ていると思っていたが、十四郎は耳まで真っ赤になっていた。





END

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あとがき。

蓮さまのリクエストで
ホスト金時×高校生土方
恋人同士で土方が嫉妬し、それを見て金時はたくさん土方を愛してあげる。
というリクエストでした。
エロが短い気がします・・・すいません(T_T)
嫉妬する十四郎書いてたら楽しくて(笑)
ご希望に添えてませんでしたら申し訳ないです(>_<)
蓮さまのみ持ち帰りOKです!
リクエスト有難う御座いました!!



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