12月25日 昼。

「そうだ!トシ、クリスマスぱーちーしよう!」
「・・・は?」


急に思い出したかのように言った近藤の提案は
多数決で、土方以外の賛成により可決した。
どうやら隊士全員プレゼントを1つ持ってこなきゃいけないらしい。

「土方さん、プレゼント決めましたかぃ?」
「いや・・・」

なんとも良い大人がやるとは思えない行事に、自室で机に肘を付き顎を手に置いてため息をつく土方。

「だったら土方さん自身がプレゼントになればいんじゃないですか?」
「はぁ!?」

何言ってるんだとにやにやしている沖田を追い出す。
そんなばかばかしい遊びに付き合ってられるかと思ったが、近藤の悲しんだ姿も見たくない。
もう一度ため息をついた土方は立ち上がり、外へと向かった―。





12月25日 夜。


「はーいじゃぁみんなプレゼント出してー」

うきうきしながら皆に話しかける近藤。
隊士たちはわらわらとプレゼントを取り出していく。
そこに土方もプレゼントを取り出す姿が。

「ふ、副長がプレゼントを・・・!!一体何を買ったんだ!?」

隊士たちがざわめき始める。
近藤や沖田も意外だったらしい。
驚いた目で土方を見ている。
我慢ならず沖田が口を開く。

「土方さん、何買ったんでぃ?」
「それを言ったら面白くないだろ」

すぱーとタバコの煙を吐きながらニッと笑う。
その姿に隊士たちは絶対に土方のプレゼントを貰うと意気込んでいるのであった―。


「みんなでジングルベルを歌う。歌が終わった時点で手元にあったプレゼントが自分のになるからな!」
「「「おお!!」」」

近藤の言葉に大きな返事をする隊士と沖田にそんなにプレゼントが欲しいのかと土方は若干引いていた。

「(なんでこんなことで真剣になるんだ・・・その真剣さを仕事に向けてくれ・・)」



「「「ジングルベールジングルベール鈴がなるー♪」」」

楽しく歌ってるように聞こえるが(ちなみに土方は歌っていない)、皆土方のプレゼントをがん見し、目は血走っていた。

そして、歌が終わり土方のプレゼントは・・・・・・

「(副長のプレゼントが俺の目の前に・・・!!!)」

山崎の目の前で歌が終わったのだ。

「やったー!副長のプレゼントは俺が貰ったー!!」

他の隊士たちはだらりと頭を下げ負のオーラが漂っていた。

「副長!開けて良いですか?」
「あ、ああ。」

山崎が開けようとした瞬間だった。
沖田の目がキラリと光った。

山崎の悲鳴と共にドッカーンという爆音。大広間が爆発した。
沖田がバズーカを発射させたのだ。

「総梧おおおおお!!!!!何やってんだコラァ!もうお前らで勝手にやれ!俺は自室に戻る!」

ぷんすか言いながら土方は自室に行ってしまった。
隊士たちは皆爆発にひっくり返っていたが、アフロになった山崎がむくっと起き上がる。

「もう、何するんですか〜・・・あれ、副長のプレゼントは!?」

手元を見るとプレゼントがない。
きょろきょろと辺りを見回すと、数メートル先に土方のプレゼントが。
このチャンスを逃さまいと皆一斉に土方のプレゼントに飛びついた。

「ちょっと、離してください!これは僕がもらったプレゼントです!」
「うるせぇ!土方さんの物は俺の物のでぃ!」
「トシのプレゼント気になる!欲しい!」
「「「黙れゴリラ!!!」」」
「え、皆なんか酷くない?泣くよ?」



ギャーギャーと言い合って数十分。
流石に皆疲れてきたのか、ゼェゼェ言っている。

「じゃぁ副長のプレゼントをみんなで分けませんか?」

独り占めするのは無理だと思った山崎はそう提案した。
それで納得したらしい。反論の声を出す者はいなかった。
じゃぁと山崎が代表してプレゼントを開ける。
皆ドキドキと中身はなんなのかワクワクしながら覗き込む。

「こ、これは・・・・・・・」


中から出てきたのは正方形の形をしたもの。


「これって・・・コ●ドームですよね・・・?」

まさかと思ったが、どうやらそうらしい。
しかも何枚か入っている。
皆ゴクリと喉を鳴らす。

「これあれですか?クリスマスの日に『俺を食べてv』ってことですか?」
「なんでぇ、土方さん。俺に食べて欲しかったのか」
「と、トシ・・・なんて積極的な・・・」

皆顔を見合わせ頷き合う。

「半分こってことで・・・みんなで頂きます?」
「「「賛成」」」



土方は自室の机の前に座り、タバコを吸いながら書類の整理をしていた。
するとドタドタと大きな足音が近づく。
ガタっと襖を開けられ振り向くと皆が鼻の穴を大きくしながら土方に近づいてきた。

「な、なんだお前ら」
「副長〜案外積極的なんですね〜」
「は?」
「心配しなくても優しくしまさぁ」
「はい?」
「「「それじゃぁいただきまーす!!!」」」
「えええ!?!?ちょ、な、ぎゃああああああああああああ!!!!!!」








――数時間前。
土方はプレゼントを何にしようかとふらふら町を歩いていた。
するといやらしい笑みを浮かべながら近づいてくる人間のような姿の天人。

「お兄さ〜ん、これクリスマスイベントで皆に配ってるんですよ〜よかったらどうです?」

そういって渡された可愛くラッピングされた四角い箱。

「なんだこれは?」
「男なら喜ぶものですよ」

カカカと笑う天人に少し引きながらも、男なら喜ぶものと聞き少し興味が出る。

(これをあの変なパーティーに持って行くか。中身は分からんが男は喜ぶみたいだし。)

その箱を受け取る。
まさかこの箱があんなことを招くなんて思ってなかっただろう。
今年のクリスマスは土方にとってある意味忘れられないクリスマスとなった。











END

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あとがき。

アンケート2位の土方総受け(真選組)でした!
総受けって必ずと言っていいほどギャグになります(苦笑)
そして無駄に長い・・・
最後まで読んで頂きありがとうございました!!



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