失礼します。と十四郎は父親の部屋のドアを開けた。
すると大きな机に大きな椅子。後ろを向いていた椅子がくるりと正面を向き、父親の姿が現われる。
十四郎は顔を見るなり震えは大きくなり、立っているのでやっとだった。

「おぉ、待っていたよ。・・・それじゃぁ服を全部脱いでもらおうか。」
「は・・・・い・・。」






十四郎の匂いをくんくんとかぎつけた晋助はそこにいると思われる部屋へまたもするりと中に入る。
しかし、そこには思いもよらない光景が待っていた。


「ぁ・・・・ぁ・・・・うぅ・・・」
「お前はいけない子だ。」
「ごめんなさ・・・」

机に手を置きお尻を突き出している状態の十四郎に中年の男が一物を十四郎のアナルへ入れ抜き差しをしていた。

「なんでこんな子になってしまったんだろうな」
「ごめんなさ・・・ぁ・・・ごめんなさい・・・」

その光景を見た晋助は、急いで十四郎のもとへ向かう。
父親にも晋助の姿は見えていないようだ。

「おい、これはどういうことだ?」
「!!・・しん・・・すけ・・・だめ・・・」

その後は声に出さなかったが、「見るな」と言ったように見えた。
晋助はどうしていいか分からず、この中年の親父を引き剥がそうかとも思ったが、十四郎の口が「なにもするな」と動いたような気がして、思いとどまる。

「ぅ、ぁぁ・・・ぁ、ぁあああ!!!」
「・・・くっ!」

父親は十四郎の中へ精液を吐き出した。
満足そうにしながら引き抜いていく。十四郎は小さくまた喘いだ。
引き抜かれ体が開放されると力が抜けへなへなと床へとずり下がる。
それを見た父親は十四郎に服を投げつけた。

「早く服を着ろ、見苦しい。」
「ごめん・・・なさい・・。」
「着替えたらさっさと出て行け。」
「はい・・・。」

服を着た十四郎は急ぎ足で出、自分の部屋へと戻って行った。




「アイツは誰だ?」

部屋に戻りベッドに腰掛けている十四郎に問う。

「俺の父さんだ。」

その事実を知り、晋助は目を見開き驚愕する。
しかし父親に何故あんなことをされているのか、知りたいと思った。
興味がある、というのもあったが、それより苦しそうにしている十四郎が気になって仕方がない。

「何故あんなことをしている?」
「俺が、役立たずで、クズだから・・・。」

言っている意味が分からない。
人間というものはどうしてこうも複雑なのだろう。
だからこそ人間になって、俺がこの世を変えようと考えているのだが。
そんな事を考え、こうも人間の中身を知りたいと思ったのも初めてだと感じた。

「俺・・・は・・・」

弱々しく、そしてゆっくりと十四郎は話始めた。

「俺・・は・・唯一この家系で能力を持たない人間なんだ。」
「能力?」
「そう。俺の家系は未来が見える。それを貿易に利用するんだ。例えば品物を見て、何ヶ月か後の日本を思い浮かべる。その時その品物が売れていたら輸入する。売れていなければ輸入しないを決める。それでこの家系は大きく育った。」
「なるほど。その未来が見える能力をお前は持っていないと。」

こくんと十四郎は頷く。
それから震えた声で話しを再開した。

「能力がないことが分かった途端、お父様はクズとか役立たずとか言いながら暴力や・・・・・さっきみたいなことをするように・・・。お母様は見てみぬふりで・・・。」

体は震え、泣いているのが分かる。

「もしかして、朝飯食ってた時の手錠もなにか関係があるのか?」
「・・・・・見て。」

そう言って服の袖を捲り上げ、左手首を晋助に見せる。
そこには大きな切り傷が痛々しく残っていた。
昨晩は裸を見たが、晋助は全然気付かなかった様子。

「いろんなこと言われて、死にたくなって、ふと見た、昼食をすませた皿にあったナイフで手首切った。でも案外死ななくてさ。それがお父様にバレて『このことが世間に広まったらどうするんだ』って。それからは俺がまた同じことをしないよう、手錠つけて食べることを命じられた。」

晋助はなんて言えば良いのか全く分からなかった。
ただ、今までに感じたことの無い胸の痛み。
この感情もなんなのかは分からない。
けれども自分の中に入りたいと言った理由を理解し、早く自分の中へ入れたいとも思った。

「早く俺の中に入って、楽になれ。」
「・・うん。」

晋助は十四郎をベッドに押し倒す。
そのままキスをし、深く交わっていった――。











Continue.......




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