「記憶喪失・・・?」
タバコを咥え火を付けようとした瞬間驚きでタバコをポロッと落としてしまう。
「そうなんですよ〜なんだかまたなっちゃったみたいで」
「全く世話がやける子アル」
ソファにメガネとチャイナの間になんとも間抜けな顔をした銀時の姿。
その対面のソファに俺は座っている訳だが。
どうやらまた記憶喪失になったらしい。
「それで・・・俺になんの用なんだ。」
「僕達が一生懸命記憶を取り戻そうとしても駄目だったんで」
「お前は銀ちゃんと仲が良いアル。だから銀ちゃんの記憶戻せヨ」
そう言って二人は出て行ってしまった。
俺にどうしろと。
気まずい雰囲気が部屋に流れる。
とりあえず落ち着く意味もこめてタバコを咥えなおし火をつける。
「君さぁ〜」
「あん?」
急に口を開いた銀時に少々びっくりし、銀時の方を見る。
「僕とどういう関係なの?」
「・・・・・」
どういう関係・・・。
コイビト、だよな?俺たち。しかし記憶の無い銀時に本当のことを言って、男と付き合っている事実を知った時どうなってしまうのだろう。
やはりびっくりして落ち込んでしまうのではないか。
いやでも本当のことを言わないと記憶は戻らない訳で・・・。
「こここここ、恋人?」
あー何俺疑問系?しかも噛みまくったし・・・
タバコを吹かしながら言い冷静を装ってみるが心臓は今にも破裂するんじゃないかと思うくらい脈打っていた。
「ふ〜ん」
以外にも普通な反応で。
しかし次に出たこの言葉。
「もうエッチとかしたの?」
「はぁ!?熱っ!!」
あまりにも唐突な質問に火の付いたタバコが足に落ち、飛び跳ねる。
何言っちゃってんのコイツ・・・。
ていうかこれも答えなきゃいけない訳?
「ま、まぁ・・・」
「どんな風に?」
「は!?」
「それを知れたら記憶が戻る気がする・・・」
「な・・・え、ちょ、」
そのままソファに押し倒される。
え、これってヤっちゃうパターン?
いやでも本当にこれで記憶戻るのかよ・・・
半信半疑、でも少し興奮を覚えながら銀時に身をまかせる。
しかし不思議なことにそれ以上銀時は動こうとしない。
「こうやって押し倒して、それから記憶喪失になる前の僕はどんなことしてた?」
「んな・・・・」
「僕の記憶を戻すためにさ、言って?」
全部言わす気なのか。
俺を恥ずかしさで殺す気か!
しかしこれで少しでも記憶がもどるならと、言う決心をする。
「キス・・・したり・・・」
「うん。」
そう言うと俺にキスをしてくる。
そのキスだけで俺はとろけそうで、下半身が熱くなっているのが自分でも分かる。
それからどうするの?と聞かれ、恥ずかしさよりも早く触れて欲しいという気持ちの方が強くなっていた。
「俺の・・・ち、ちちちんこ触ったり・・・とか・・・」
「どうやったら気持ちい?」
「そんな、わかんな・・・ぅぁ」
いつの間にかズボンも下着も脱がされていて、やわやわと触られ。
不覚にも、もっと触れて欲しいと思ってしまう。
「あ・・もっと・・・」
「君って淫乱なんだねぇ〜」
扱きを早められ、絶頂が近づき達する。
快感に浸りながら荒い息を整えようとしていると、顎をくいっと上に上げられる。
「ねぇ、君の両手首に何かに縛られたような痣があるんだけど・・・これももしかして僕の所為?」
ペロっとその痣を舐められ興奮で震える。
そう、これは銀時が毎回縛ってきて残った痣だ。
手首だけじゃない。足首にもある痣。
俺は正直に頷く。毎回されてるのかとも聞かれ、それにも肯定する。
「こんなこと毎回されて、イヤじゃないの?」
それには、否定した。
「銀時にだったら、何されてもいい・・・」
銀時に縛られて、俺のもんだと言われて、必要とされていることを実感する。
それが嬉しくて、そしてそれが快感になっていったなんて言えないが。
それでも本音を吐いてしまい恥ずかしさでいっぱいになる。
「俺になら、何されてもいいんだ?土方くん。」
ニヤリと笑い俺を見る。
先ほどとはうって変わって、いつもの銀時の顔に戻っていた。
俺は今日名前を言ってなかったはずだ。
なのに俺の名前が分かるということは・・・
「おまっ・・・記憶がっ!」
「ん〜?てか最初から記憶喪失になんてなってないんだけど。」
・・・やられた。
最初からコイツは俺に色んなこと吐かせようとしていたらしい。
まんまと嵌ってしまった俺は消えたくなる衝動に駆られた。
「で、俺になら何されてもいいんだよね?」
「ちがっ・・・!!」
そう言っていつもみたくまた両腕を上で縛られた。
今日はどんな酷い事をされるのだろうか。
不安と期待が募りながら俺は銀時に溺れていった―。
END
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あとがき
ドMな十四郎でした(笑)
十四郎は無自覚なドMであって欲しい!!
これの続き書けたら書きたいです。
最後まで読んで頂き有難う御座いました!!
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