銀魂高校。
この学校には学園一のマドンナがいる。
それは―

「先輩!好きです!付き合ってください!」
「いや、だから俺は男だって・・・」
「女だとか男だとか関係ないです!土方先輩が好きなんです!」

男が男に告白する光景。普通ならびっくりすることだろうがこの学校の生徒は慣れたものだった。
なぜならこの告白されている土方十四郎という男。
この男は男女問わず人気で、女だけではない、男からもよく告白されている。
その光景を何度も見ている生徒は慣れてしまったのだ。

「ごめん、本当に君とは付き合えない・・・」

土方は少し俯き申し分けなさそうに答えた。
すると相手の男は諦めが付いたのか、そうですか。と男も俯く。

「じゃ、じゃぁ逆に聞きます!」

男はぐわっと顔を勢いよく上げ、土方に問うた。

「土方先輩は、好きな人いるんですか!?」
「え・・・・!?」

土方は顔を真っ赤にし、何も言えずあわあわとしている。

「・・・いるんですね・・・」
「・・・っ・・・」

反論しない土方の様子を見ると、きっと好きな人がいるのだろう。
そう判断した男は土方に一礼をし、去っていった。
土方も男が見えなくなると、自分の教室へと戻っていく。




「こ、これは大変だ・・・・」

先ほどの様子をどうやら茂みから隠れてみていた男がいた。
その男は銀色の髪を揺らし、全速力で教室へと戻っていった。

「大変だ大変だ大変だああああ!!!」

銀髪の男は勢いよく教室に入って行き、3人のもとへと向かう。

「どうした、うるさいぞ銀時」

黒く長い髪の毛の男が銀時という男に話しかける。

「ヅラ、聞いてくれ!」
「ヅラじゃない桂だ!!」
「で、何があったんですかい?」
「おぉ沖田くん、実はな・・・」

沖田と呼ばれる男は栗毛頭で中性的な顔立ち。族にいう美男子。
沖田は言い合いになっている銀時と桂の間に入り、銀時に続きを急かす。

「俺、さっき聞いちゃったんだ・・・十四郎の口から『好きな人がいる』って・・・」
「えっ―「ええええええ!?!?!?!?」

総悟が驚く前に、先ほどまで入って来なかった眼帯の男が大きな声で叫ぶように驚いていた。

「ま、まじかよ・・・嘘だろ銀時ィ!?」
「落ち着け高杉、残念ながら本当だ・・・」
「なんてこった・・・・」

高杉と呼ばれる男は膝をがくんと落とし、絶望した顔で身体を悔しさで震わせている。
相当ショックだったのだろう。

「でもちょっと待ってくだせぇ。それって逆に言えば俺らの中にいるかもしれないってことでしょう?」
『!!!!』

沖田の言葉に3人は反応した。
そうだ、この4人は他の生徒よりも土方と仲の良いと言える自信がある。
銀時、桂、沖田、高杉はいつも土方とつるんでいるからだ。
この4人の中にいる確立はきっと高いだろう。
皆興奮を抑えようと、ゴクリと唾を飲み込む。
この4人は前々から土方に行為を寄せていた。そして皆その事実も知っている。

「しかし・・・仲が良いのは俺達だけではないだろう。・・・あのゴリがいる」
「はっ!!!」

桂の言葉に3人は現実を突きつけられる。
ゴリというのは土方が尊敬している近藤という男だ。
4人は揃って教室にいる近藤を見る。
頭が相当悪く、何度も留年していて今何歳なのか、誰も知らないでいる。

「あ、トシぃい!!」

近藤が教室の入り口を見ながら叫んでいる。
4人はそれに誘われるように教室の入り口を見ると、今話題の中心になっている土方の姿。

「あ、近藤さん!聞いてくれよ、さっきさ〜」

土方は困った顔をしながら、それでも近藤と話すのが楽しいのか、キラキラしたオーラを出しながら話している。

「やはり一番可能性が高いのはあの男ではないだろうか・・・近藤も土方を狙っているという噂を聞いたしな」
「なんだとおお!?!?」

銀時は知らなかったようで大声を上げた。

「・・・くそっ・・・やはり確認するべきなのか・・・」
「まじかよ・・・それもそれで怖いな・・・」
「あ?なんだ高杉、てめぇ怖いのか?」
「ばっ・・!ちげぇよ!」
「じゃぁ聞こうぜ。はっきりさせようじゃねぇか!!」



***

「え、話がある?」
「おぉ、いつものお前を含めた5人でさ、ちょっと話してぇんだ。今から屋上来れるか?」

放課後、銀時は土方を屋上に誘った。
教室は沢山人がいるからあまり聞かれたくない。
しかし急に屋上なんて言って怪しまれないだろうか。
銀時に少し不安がよぎる。

「ここじゃだめなのか?」

そう言って教室の床を指で指す。
やはり予感はあたった。すこし土方も警戒しているように見える。

「大事な話だからさ・・・出来ればあまり人がいないとこが良いんだ」
「ふーん・・・・まぁ良いけど」
「・・・!じゃぁ今から屋上行こうぜ!」
「おぉ」

銀時は土方の腕を掴み急いで屋上へと向かう。
屋上には既に沖田、桂、高杉が待機していた。

『いいか、もしこの中に土方の好きな奴がいても恨みっこ無しだからな』

土方連れてくる前、銀時が言った言葉。
皆それに賛成したが、実際自分じゃなかったらと考えると怖くて仕方が無い。
今のこの5人の関係が壊れてしまう不安だってある。
ドキドキと心臓が脈打ちながら土方を待っていた。

「連れてきたぞ」

銀時がそう言って土方を皆の前に出す。

「・・・急にどうしたんだ?皆真剣な顔して・・・」

土方もただ事じゃないと顔を引き締めて皆に質問する。

「俺から説明する」

土方の後ろにいた銀時が、ずいっと前に出て話をし始めた。

「俺さ、今日見ちゃったんだ、お前が告白されてるとこ」
「・・・!!ど、どこまで・・・?」
「最後まで」
「っ・・・!」

まずいという表情で土方は銀時の顔を見た。
最後というのは自分に好きな人がいるということも分かっているのだろうと考えたからだ。

「だから、教えて欲しい」

皆がゴクリと息を飲む。

「お前の好きな人は誰なんだ?」
「それは・・・・」

土方はなかなかその続きが出なかった。
そして、その答えを待っている4人は期待と不安でいっぱいだった。
聞きたい。でも聞きたくない。それでも4人は何も言わず言葉を待っていた。

「俺の、好きな人は、一目惚れだった」

どのくらいの時間がたったかは分からない。
土方が重い口をポツリポツリと話し始めた。

「初めて見た時、衝撃が走った。こんな奴いたんだって。普通の奴らとは違う。すっげぇ惹きつけられた」
「・・・・」

皆黙って聞いていたが各々衝撃が強かった。
土方は一目惚れだと言ったのだ。
それだと始めてあった時から好きだったことになる。
そんな中5人と一緒にいたのかという衝撃。

「そいつの名前は・・・・」












「マヨリーンなんだ」








『は・・・?』

4人は意外すぎる名前に呆気に取られ唖然としている。
当の土方は恥ずかしそうに顔を真っ赤にし両手で顔を覆った。

「本当に一目惚れだったんだ・・・あいつは一体どこにいるんだろう・・・一度お会いして、マヨネーズについて語り明かしたいのに・・・」

土方はそう言って空を見上げた。
本当にマヨリーンはいると思っているのだろう。
4人はこれは恋じゃないなと確信し、顔を見合わせ大きくため息をついた。

一つ、忘れていたのだ。
土方十四郎という男は、



とっても電波さんだったこと。


銀時、高杉、桂、沖田は笑いあった。
まだまだこれから始まるということが分かったから。

「おい、なんで笑ってんだよ!」

本気で怒っている土方をよそに銀時は立ち上がった。

「あぁ、ごめんごめん。そうさなぁ。じゃぁこれからお前に好かれるように頑張らないとな」
「え?」

他の3人も大きく頷く。

「え?え?どういうこと?」

何も分かっていないのが自分だけだと分かり焦り始める土方。
しかしその言葉の意味が分かるのはいつになることやら。






END
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あとがき。
ミクさまのリクエストで総受けな土方でした!
待たせた割にはもうほんとにジャンピング土下座したくなるような内容になってしまいました…(泣)
そして土方はだたのアホの土方に(笑)
気に入らないようでしたら全然書き直します><
リクエスト有難う御座いました!


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