「あ、土方さん」
「ん、あぁ万事屋んとこの」

ばったりと会った真選組の土方さん。
けど僕を見るなりなんだか気まずそうにそわそわしている。

「どうしたんですか?」
「あ、いや・・・・万事屋とは一緒じゃねぇのか?」
「一緒にいた方が良かったですか?」
「いや!いやいやいや!そういう訳じゃないんだが・・・」

本当に土方さんて分かりやすい人だと思う。
いつもはクールでかっこいいのに恋愛事になるとなんでこんなに可愛い人になるのだろう。
もちろん銀さんと土方さんが付き合ってるって誰かが言ったわけではないけど、
やっぱり分かっちゃうよね。
朝万事屋に行ったら誰も吸わないはずの煙草の匂いがぷんぷんしてたり。
最初はなんでか分からなかったけど、こうやって土方さんと話すとすぐに分かった。

「あの、今銀さん仕事行ってるんですけど、もう少ししたら帰ってくると思うんで良かったら万事屋来ます?」
「え・・・。いや、別に用があった訳じゃ・・・」
「マヨネーズ料理御馳走しますよ」
「行く」

そんなこんなで僕は土方さんを万事屋に呼んだ。

「どうぞ」
「おぉ、さんきゅ」

土方さんをソファに座らしてお茶を出してあげる。
喉が渇いていたのかグビグビと一気にお茶を飲み干した。

「お茶、またついできますね」
「すまん」

台所に戻りお茶を注ぐ。
僕は嬉しくてにやけてしまう。
この顔じゃ土方さんに会えない。そう思って両手でぱちんと頬を叩き土方さんのいる部屋へ戻った。
すると土方さんは片手で顔を支えて苦しそうにしていた。

「そうしたんですか?」
「ん・・・なんか、身体が・・・」
「土方さん」
「・・・・?」
「実は、銀さん今日帰ってこないんですよ」
「・・・え?」

僕は笑い出しそうになるのを必死に堪えながらできるだけ冷静に話す。

「依頼された仕事が泊り込みだったらしくて」
「・・・じゃぁなんで呼んだんだ」

ギリッと睨んできた土方さんに鳥肌が立つ。
侍の目。今にも殺されそうだ。
けど今回は、僕の勝ち。

「どうしてだと思います?」
「てめぇ・・・・っ・・」

土方さんは自分の体が支えきれなくなりソファに倒れこんだ。
一杯目のお茶には睡眠薬をたっぷりと入れてあったのだ。
倒れこんだ土方さんの上に跨り見下すように覗く。

「ちょっと、銀さんが羨ましくなっちゃって」
「・・・・・・」

もう一度キツク睨んだ後、土方さんは眠りに堕ちた。




END
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あとがき。
これまたマイナー。
黒黒な新八!!!!

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