―高杉は優しいな。

階段を降りながら土方は思う。

―あんなに優しい奴なのに、なんで教室来ないんだろ
―・・なんか、銀八の名前出すと嫌な顔してたよな・・・
―やっぱ何かあったのかな・・・・
―ぎんぱち・・・

名前を心の中で呟き緊張が走る。
高杉とは凄く良い雰囲気で関係を戻せた。
けど銀八は?
本当のことを言って怒るだろうか、悲しむだろうか。
きっと、どちらともだろう。
別れるかもしれない、家を追い出されるかもしれない。
でもそれだけのことを自分は犯してしまっている。
もう過去には戻れない。




「見てー十四郎、にゃんこかわうぃ〜」
「・・・・」

夜、夕食も終わり二人並んで動物番組を見ていた。
しかし土方にはその番組は全く目も耳にも入らない。
いつ話を切り出すかばかり考えている。

「十四郎・・・?」

土方の異変に気付いた銀八は土方の顔を覗き込む。
目が合うと、土方は泣きそうな顔で銀八を見た。

「え、ちょ、十四郎???」

銀八は自分が何か変なことを言ってしまったのかと、思い返してみるが、全く心当たりはない。
あたふたとしていると土方はゆっくりと口を開いた。

「話が、あるんだ・・・」
「・・・・」
「俺っ、浮気してた。そいつと、キスした、それ以上のことも、してた・・・」
「・・・・!」
「ごめんなさい・・・!俺、幸せだったんだ、銀八と暮らせて。幸せだったのに、俺は、銀八に愛されてないなんて思って・・・!!」
「・・・っ!」
「セックスもあんましてくれないし、好きだとも言ってくれないし、俺、不安になって、それで・・・っ、本当に、ごめんなさい・・・・」

目の前が霞む。涙が瞳に溜まり視界を閉ざされる。
銀八の顔は見えない、怒っているだろうか、それとも自分の考えていることが正しかったのなら「だって好きじゃないから。同情しただけ」なんて言われるのだろうか。その方が、ましかもしれない。
しかし次に銀八のとった行動は、土方の考えていたことが大きく崩れ去ることになる。

「ごめんな・・・」
「!?」

銀八は土方を優しく抱きしめ、頭に手を置く。

「俺は、お前が今まで会ってきたような男にはなりたくなかったんだ。大切にしたかった」

3年Z組、そこの担任になることになった銀八。
Z組は問題児ばかりだった。というより、意図的に問題児を集めたクラスだった。
まずゴリラがいるし、全ての授業を寝ている者、学校には来ているが一切教室に来ない者、常識をしらない留学生、暴力女。
色々な問題児がいるなか、一際目立った男がいた。
それが土方十四郎だった。
目立つ、というのは濃い学生が多くいる中、一人だけ大人しく、勉強もそこそこできる。
このクラスから見たら、土方が異色な扱いをされるだろう。
どうしてこんな子がZ組にいるのか不思議で、いつの間にか土方ばかり目で追うようになっていた。
そして分かる、土方は、全て偽りで出来ている男だと。
表情、言葉、行動。淡々としていて、まるで心にない感じ。
けれどたまに、褒めてやったり頭を撫でたりすると、一瞬”素”が見える。

―こいつは、愛情を欲している。

そう感じた。
そしてもう一つ。土方をとても愛しいとも感じていた。
土方との交際が始まり、強く思う。



―絶対幸せにしてやる。俺が忘れさせてやる、全部、全部だ。



「ヤるだけのような男にはなりたくなかった。そりゃぁいつもムラムラしてましたさ、ほんと。好きっていう言葉も、気軽に言うもんじゃないって思ってた。けどそれじゃぁ十四郎は愛されてる気持ちしないよね、本当にごめん」
「銀八・・・・」

自分は、なんて子供なのだろうと落ち込む。
銀八は自分とは違う、大人。
本当はとっても愛してくれていたのに。そんなことにも気付かず、愛されていないと勘違いし、他の男の所へ行く。子供だ。土方は自分に腹が立って仕方がなかった。

「銀八は悪くない・・・俺馬鹿だ・・悪いのは全部俺だ・・・」
「そんなことない。実はもう一つ謝らなきゃいけないことがある」
「?」
「実は、俺知ってたんだよね、十四郎が浮気してるの」
「え・・・・」

―知っていた?一体いつから?

頭がパニックになり言葉も出ず魚みたいにパクパクしてしまう。
そんな土方をみて苦笑しながら銀八は話を続けた。

「高杉、でしょ?相手。十四郎って言動とかにすぐでて分かりやすいから」

そう言って笑う。
言動に出やすい。しかし高杉のことは一切名前を出していなかったはず。

「俺、そんなに分かりやすいか・・?」
「うん。まぁいつも一緒にいる俺だから分かるのかもしれないけど」
「じゃぁどうしていままで・・・」
「怖かったんだ」
「・・・?」
「俺がもし十四郎に「浮気してるでしょ」って言ったとして、そしたら別れを切り出されるんじゃないかって怖くて・・。だったら知らないフリした方がいいって思ってさ」
「・・・・・」
「俺って子供だよなぁ、恥ずかしい」
「そんなこと・・・」

二人は、互いに思いを伝えるのが怖くて、口を閉ざしていた。
同じだった。勇気が出なかったのだ。別れを恐れて。
そして浮気し浮気され、それを悪いと知った上で、浮気をされていると知ったうえで、二人は一緒にいたのだ。
答えが分からない迷路をひたすら歩きさ迷う。
しかし土方の勇気が、入り組んだ沢山の迷路を一つの道にさせた。

「俺の方が、よっぽどか子供・・・・」

下を向いていると銀八が土方の顎を掴み顔を上げさせる。

「高杉とは別れたの?」
「別れたっていうか、元々セフレみたいなものだったから・・・。もうしない」
「なら許す」
「ごめんなさい」
「あと」
「?」
「もんのすごおおおおおおく嫉妬もしてたわけ、わかる?」
「ごめん、なさい・・・」
「だから、お仕置きね?」
「え?」


クッションに座っていた土方を床へ押し倒す。

「今日はもう我慢できない」

そう土方の耳元で囁くと、土方の心臓はドキリと大きく動いた。






「十四郎、気持ちい?」
「う・・、ん」

二人とも何も着てない状態になり、土方は銀八に股を開き元気になっている息子を銀八が扱いている。

「ねぇ、高杉にちんこしゃぶられた?」
「おまっ・・言い方ってもんが」
「ねぇどうなの?」
「・・っ!」

手を動かすの止め、真剣に問うてくる。
中途半端に止められた土方は腰を動かし銀八の手に当てようとする。

「だぁめ、質問に答えて?」
「・・・う・・・やられた、よっ!」
「分かった」
「!?」

羞恥に堪え答えを出すと、銀八は土方の一物を口に咥える。

「ぁ・・・ぎんぱち・・・」

セックスすることはあっても、自分の息子を咥えられることはなかった。
はじめて銀八にされる行為にいつもより感じてしまう。

「ひ・・・ぁ・・・んん」

銀八の髪を両手でしっかりと掴み必死に堪える。
亀頭を舐めると土方の体がビクンと反応した。

「ひっ・・!や、もう、だめぇ・・」
「出して良いよ」

絶頂を援護するかのように銀八は吸い付くように口に咥え奉仕する。
するとそれに応えるかのように土方の一物からは精液が沢山溢れ出す。

「いっぱい出たね」
「はぁ・・はぁ・・・」

そう言って精液を飲み込み微笑む銀八に土方の一物はまた元気を取り戻していく。

「指入れっから、舐めて?」

土方の目の前に銀八は自分の手を差し出す。
土方は素直にそれに答えぺろぺろと指を舐めだした。

「ふ・・はふ・・・」
「いい子」

一生懸命に舐めている土方にもう片方の手で頭を撫でる。
適当に湿った手を土方の口から離すと、ゆっくりと下のほうへもっていく。

「入れるよ」

土方のソコへ指を一本入れる。
すると可愛い声で鳴き始めた。

「ぁ・・ぁ・・・」
「一本でもなかなかきつい・・・けど・・」

無理矢理二本目を入れ、動かすと、ぐちゅぐちゅという卑猥な音が響き渡る。

「ぁ・・!ぃた・・・」
「ごめん、我慢してね」

そのまま動かし続け、慣らす。
最初より指が自由に動けるようになると指を抜き、今度は自分の一物を土方のソコへと進入させ全て入るとゆっくりと動き出す。

「あ、あ、ぎんぱちぃ・・・」
「っ・・っ・・」

頬を紅潮させだらしなく涎を垂らしている姿に銀八の自身が土方の中で大きくなっていく。
土方の中でとある一点をかすめると、電撃が走ったような衝撃を与え、絶頂を誘い出す。

「あああ!」
「ここね・・」

そこが前立腺だと分かると、銀八はそこを重点的に攻め上げる。

「やっ・・!あ・・!だめ・・もう・・・」
「俺もそろそろ限界かも・・・」

土方は意識が朦朧としていた。けれども必死に銀八にしがみ付く。

「は・・ぁ・・ぎんぱ、ち・・・俺の中に・・だして・・・ぎんぱちの、ほしい・・」
「〜っ!!」

朦朧とした中口ももとらない状態で懇願する。
その土方を見て理性を失った銀八は、ピストンを速め、無我夢中で愛しい名前を呼ぶ。

「十四郎・・とうしろっ・・・」
「ぁ・・ぁ・・んあああ・・・!!!」

土方が絶頂を向かえると、銀八も後を追うように土方の中へ精液を吐き出した。





「十四郎、愛してる」
「俺も」
「ちゃんと愛してるって言って?」
「〜〜っ。だから、好きだよ!」
「じゃなくって〜―」
「あいしてる!!」

顔を真っ赤に染め叫ぶ土方を銀八は強く抱きしめた。
今度はしっかり言いたいことは言おう。
二人の中で、一つの約束が生まれた。
ずっとずっと一緒にいようと願いをこめて。



Continue.......


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