秋事情(企画現パロ数富)
ちとせ様リクエスト
現パロラブラブ数富
周りの3年はイラッ
コメディチック
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作兵衛と数馬はその日も一緒に帰った。テストはどうだったとか、授業中にこんなことがあったとか、そんな話をしながら家までの長い道のりを並んで歩く。それにしても長袖で過ごしやすい季節になった、と思う。
「もうすぐ冬だな」
「そうだね…あ」
数馬がふいに足を止める、
「ごめん作兵衛、ちょっと雑貨屋に寄ってもいい?」
「良いけどなに買うんだ?」
「…はは」
帰り道を少し外れたところに雑貨屋はある。数馬は雑貨屋に入ると迷いもせずある一箇所に行った。
「マフラーって、去年も買ってなかったか?」
「去年のは、うん・・・まきこまれてね」
「ああ、不運か・・・」
「うん・・・、決まるまで店の中まわっててよ」
「おう」
数馬に言われ作兵衛は店の中をぐるぐるまわった。
――――そういえば、去年迷子どもを探してたときに手袋破けちまって・・・捨てたよな。
――――別に特別必要ってわけでもねぇし、今年はなしで乗り切るか・・・
一通り見てまわってまた数馬がいたところに行く。
「数馬ーもう決まったかー?」
「え?ああ、また今度にするよ」
「良いのなかったのかよ?」
「だってこっちは高いし、これはすぐ破けそうだし」
「そうか・・・?」
数馬が手にとっていたマフラーを戻し、さあ帰ろう!というとき目の前の数馬がある一点を見ていることに作兵衛は気付いた。視線の先には白のマフラー。
「それが気に入ったのか?」
「いや、なんでもないよ!」
なんでもないと答えながら数馬はすこし目線をそのマフラーに落とす。そして立ち上がり帰ろうか、と言って作兵衛と数馬は店から出た。
「今年はなしで乗り切ろうかなー」
「・・・いや、お前の場合風邪をひくのがオチだろ」
作兵衛は数馬が自分と同じような事をいったことに嬉しさを感じながら一つ考えていた。
後日、作兵衛は数馬や他の同級生の帰り誘いを断り一人で昨日と同じ雑貨屋にいた。そして数馬がみていた一つのマフラーを手にとって考え込んでいた。
「・・・買ってやるか」
数馬には怪我した時に世話になってるし、もし買ってしまっていたときは自分が使えばいいし。と考えて値段を確認する。書いてあった値段は作兵衛の全財産をほとんどなくすほどの値段。
「高っ!!・・・・・・・・・・・・だが、男に二言はねぇ!!」
そう言い作兵衛はレジに行った。今月はもう何にも買えねぇな、などと考えていた作兵衛は気付いていなかったが急に大声を上げため奇怪に見られていた。
そしてまた後日の帰り道。
「数馬もうマフラー買ったか?」
「それが他の物買っちゃて、買っていないんだ」
「あのさ!これやるよ!」
鞄から昨日買ったものを出し数馬の手に渡す。
「これって」
「お前、すげぇみてただろ?」
マフラーをみて驚愕を顔に浮かべた数馬に、サプライズ成功だなと、作兵衛は思ったが
「いや・・・その、作ちゃんに似合うだろうなって・・・見てたんだよね」
「・・・っはあ!!?」
自分の厚意が思いっきり崩され。しかもかなりの金をそれに使ったため怒りがわいてくる。
「自分の選ぶために行ったっていうのに!お前っ!」
「はは・・・ごめん、でも作ちゃんから貰ったものだし大事に使わせてもらうよ」
「かなりの金使っちまったんだからな!今度は巻き込まないようにしろよな・・・」
「極力ね・・・作兵衛!これあげる」
数馬に渡されたのは手袋。そして少し前の会話の内容を思い出す。
「まさか、お前」
「あー。うん、他のもの買ったってそれ」
「自分の買えよな!!このお人好し!保健委員!!」
「最近、冷えてきたし、作ちゃんに風邪ひいてもらいたくなかったし・・・はは」
「・・・まあ、貰っちまったからには使わせてもらう。さんきゅ・・・」
「こちらこそありがとうね、作兵衛」
「もう、マフラーと手袋!?」
「アホだろお前ら!」
「「いや、でも数馬/作ちゃんに貰ったものだし」」
二人のバカップルぶりに周りがイラッとしたのは言うまでもない。
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