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この夜、なまえは最高の気分だった。

リゾットのエスコートが最後に相応しくベットに入る前から過去最高だったからだ。

彼がいつもなまえと会う時に予約してくれているなまえのお気に入りのホテル。
そのホテルの中でも飛び切り夜景の綺麗な部屋をリゾットは手配していた。

部屋へ案内されて扉を開けると、入り口からベット、湯の張られたジャグジーの中に至るまで、あちらこちらに赤いバラの花びらが散りばめらており、更にバスルームにはたくさんのキャンドルが灯されている。
いつの間に手配したのか。リゾットは最高にロマンチックな演出をしてくれていた。

「ああ、リゾット、私には貴方の方が悪魔に思えてきたわ」

思わず歓喜の声を上げてリゾットに抱きついたなまえを受け止めて彼は微笑む。

「フ、やるさこれくらい。なまえとの最後の夜なら当然のことだろう」

唇が触れるか触れないか、ギリギリの位置で言葉を交わした2人は、どちらともなく口付けを交わす。

そうしてお互いの唇を味わうように2人は何度も何度も、ゆっくりと噛み付いた。
その間にもリゾットの手はなまえのうなじから耳にかけてそっと撫で上げる。
その感覚になまえがぞくりと身体を震わせると、それを合図にリゾットはなまえの無防備に空いた口の中に舌を忍びこませた。

舌の先端がゆっくりと水音を立てながら、触れ合い、だんだんと絡みつく。
奥歯を舐められ、頬の内側を舐められ、なまえは鳥肌が立つのを止められなかった。

キスを堪能しながら、リゾットはなまえに回している手を動かし続ける。
耳をくすぐり、首筋を這って、そして、ゆっくりと両肩に掛かっていたなまえのドレスの肩紐に指をかけると、なまえの肩を撫でながらそっと肩紐を下ろし始める。

ゆっくりと脱がされるドレス。
暗がりの部屋の中でなまえの胸元はリゾットの目の前に無防備に晒される。
焦らす様にドレスが下ろされて、肩紐がなまえの細い指先を通り過ぎると、留まる引っ掛かりをなくしたドレスは重量に従って腰から足元へパサリと落ちた。

「バスタブまで運ぼう、お嬢さん」

「ふふ、ありがとう、お兄さん」

そう言って微笑みあってから、なまえはゆっくりリゾットの首に手を回す。
それを確認したリゾットはなまえの足を持ち上げて横抱きにすると、部屋を歩いてバスルームへ入り湯船の中へゆっくりとなまえを降ろした。

「ねえ、お兄さん。早く脱いでくださらない?もう待てないわ」

「全く。わがままなお嬢さんだな。待っていろ」

そう言ってリゾットはなまえに口付けをしてから、服を脱ぐために一度バスルームから出ていく。
それを見守ってからなまえはジャグジーのボタンを押した。
そうして起動したジャグジーのお湯がボコボコと音を立て始める頃には、なまえの目の前には望んだ通り隅々まで鍛えあげられたリゾットの身体が現れた。

「ふふ、その身体をもう見れないなんて、寂しいわ」

「なまえが望むならいくらだって見せるさ」

ゆっくりと湯船に入るリゾット。
溢れたお湯がバラの花びらとともに流れ出す様を見ていると、なまえの後ろに回り込んだリゾットがゆっくりとなまえの身体に腕を回した。

そして頸や頬、首筋にキスを落としてから、ゆっくりと耳を舐めあげると同時に、胸の頂きを優しく刺激した。
その感覚になまえは声を漏らす。

「ん、、ぁあ、」

そんななまえの腰にリゾットのそそり立つ熱く硬いそれが当たる。
なまえはお返しをするように湯船の中で後ろに手を回し、それを撫で上げた。
根元からカリにかけて、ゆっくりと指を這わせ、何往復かさせた後、包み込むようにゆるく掴んで上下に動かせば、後ろにいるリゾットの息が荒くなっていく。

リゾットはその行動に本能を刺激され、先を急ぐように手を下に進める。
胸を揉み、乳首を摘み、寄せて上げていた掌を身体をなぞりながら、なまえの大事な割れ目まで下ろした。

「っは。興奮しているな。相変わらず素直な身体だ」

「ええ、だって私感じているもの、っんぅ、」

つぷり、リゾットの長い指が中に入れられる。
一本から二本、二本から三本。中を撫で上げながら出し入れを繰り返しゆっくりと広げられ、同時に入り口の上にある蕾を親指で押し潰されこねくり回される。

広がった穴にお湯が入ってしまうのほど解された頃には、なまえは頭をリゾットの肩にあずけて息も絶え絶えであった。

「あ、あぁ、そこっっあ。っだめ、もう、」

「見ててやる。だからそのエロい顔で1人でイッてみろ」

「んんんっ、あ、っ!」

リゾットの声に合図されるようになまえはビクビクと痙攣して果てた。
足の指先までビリビリと痺れた余韻を味わった後、なまえは息を荒くしてリゾットに問う。

「っはぁ、っは。ねえ?見てて、くれた?私の貴方を誘う、エロい顔」

「ああ、見ていたさ、なまえの最高にエロい顔をな。だからもう、待てなくなってしまった、すまない」

リゾットはそう言ってニヒルに口角を上げるとなまえの細いくびれを持ち上げて、先ほど達したばかりのヒクついた穴へ自身を埋めた。

その質量になまえは息をすることすら忘れる。

「っっ!ンンンンっ!」

「っ!、っは、なまえ、お前はやはり悪魔の様な女だ。こんな思いをさせておきながら、もう2度と俺にこの体を味合わせないと言うのだからな」

「はあ、っんん、ああ、ダメ。私、気持ちいいと、なにも、あっ、私も、貴方の体が、好きよ、」

「何年お前を抱いたと思う。そんな事知り尽くしているに決まっているさ、お前は本当に、最高の女だよ、」

「あぁ、リゾット、私もそう思うわ、ん、貴方との夜は、最高よ、!」

バシャバシャと音を立てて水飛沫が飛び散り、バスルームを照らしていたキャンドルを消す。
暗闇の中で2人はただ欲望をぶつけ合う。

「もう、イク、ぞっっ、」

「ん、っキ、テぇ!」

その声を聞いてリゾットは更に激しく動く。
全ての酸素を吸い付くす様に2人は息を切らしながら、迫り来る快楽に奥歯を噛み締めた。



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