XOXO



グイード・ミスタには友達以上恋人未満の女性がいる。

なまえ・みょうじ
イタリアの外資系企業で働くOLだ。

友達以上恋人未満といっても、ミスタは決して軽い気持ちではない。
なぜならミスタは彼女の事を愛しているからだ。

ミスタには彼女以上に大切にしたいと思う女もいないし、彼女より自分を癒してくれる女もいない。
なのでミスタは、できることならなまえと正式な恋人になりたいと思っている。
だが、彼女がミスタとの関係を重たいものにしたくはないと言うので、ミスタは仕方なく友達以上恋人未満の関係に甘んじるしかないのだった。


「おーい、来てやったぞー」

この日ミスタはジョルノに言いつけられた仕事をこなして、ヘトヘトになりながらなまえの部屋を訪れた。
こんな夜更けだ、きっと彼女は寝ているだろう。
だが、それでもミスタはどうしても彼女に会いたかったのだ。

「んーーーー、」

「起きろってー、おーい、なまえー。」

「うるさいなぁ、今何時だと思ってるの、」

「ん?夜中の3時?」

「…しね、」

勝手に拝借している合鍵を使って室内に入り、狭いワンルームの一番奥に置かれたベットの中で気持ちよさそうに眠っていた彼女に、ミスタはいたずらな笑みを浮かべて声を掛け続ける。

「なぁー」

「ん、わかったから、ホント寝かせて、」

「ま、この時間だしな。起こして悪かったな。」

しばらく粘っては見たものの彼女が起きることはないと諦めたミスタは、謝罪を述べてから彼女のベットに潜り込んで後ろから彼女を包み込むように腕を回す。

「ミスタ、」

「ん?」

「…臭い」

「気のせいだって」

任務の後だ、多少の匂いは仕方ないだろうとミスタは思うのだが彼女にとってはそんな事は関係ない。顔をしかめてミスタを見ると寝惚けた目で睨みつける。

「シャワー浴びてきてよ、」

「んー。明日なー」

「…ホント最悪。」

じっとりとミスタを睨み続けるなまえ。
だがミスタはそんなことは気にもとめず、やっとこちらを向いてくれた彼女の頬にキスを送る。

「…はぁ、もういいわ、諦める。そのまま寝れば。…今日もお仕事お疲れ様、ミスタ。そしておやすみ」

「おう」

その言葉を聞いてミスタは思う、やっぱり何だかんだ彼女は自分に甘いと。

言い終えた後ミスタに向けていた顔を元に戻して再び眠りにつこうとするなまえ。

ミスタはそんな彼女の後頭部にキスをひとつ落としてから、彼女に回した手を動かして、パジャマのすそからゆっくりと手を潜り込ませると、服をめくりあげがら、その手を上へと這わせ、なまえの無防備な胸にイタズラをする。

「… おっぱい揉まないで」

「んー?減らねーしいーだろ?落ち着くんだよー、お前の胸触ると」

「しらな、んんっ、もう、やめてってば、」

やめて、なんて言いながら色っぽい声を出すのだから、なまえだって満更でもなさそうだ。
であれば、あわよくばこのまま行為まで持ち込んでしまおう、ミスタがそう考えて更に胸への愛撫をしようとしたその時、ミスタの手をなまえが強く掴んだ。

「明日、仕事なの。これ以上やったら追い出すよ?」

「あー。…はい。」

さすがに調子に乗りすぎてしまったかと、ミスタが項垂れると、腕の中に居たなまえは体制を変えてくるりとミスタの正面へと向き直る。

「ミスタ、」

優しい声の後にミスタの唇になまえの唇が数秒重なってから、小さなリップ音と共に離れていく。

「おやすみ」

「…おやすみ、なまえ」

ミスタの胸に顔を埋める様にして、ゆっくりと瞳を閉じたなまえを見て、やはりミスタは彼女は自分に甘いと思ったし、敵わない相手だとと思い知らされたのだった。


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