***



「…?…妙な妖気を感じる…。」

悪い気のようなそうでないような…特殊な…
でもかなり強い妖気なのは確かだ。

「そりゃぁ…妖怪の本家ともあれば、そんなん当たり前か。」

でも…
気になってしまうのは陰陽師の性で、俺はその妖気を辿って進んでいった。

「ここか…。」

見た感じは誰もいないようだな…。


「ん?」

部屋に無造作に置かれている絵本が目に入った。

「なんだぁ…これ…。……!!!」

これか!!
妖気を放っていたのは!!

表紙を軽く指先でなぞれば、確かに感じる強い妖気。
それに混じって、絵本から冷たい妖気も感じられた。まるで雪女の妖気のような…。


絵本の側には白いマフラー。


「!」

マフラー…?
これ、雪女がいつも巻いてるやつだよな…?

まさか…

「あんの馬鹿っ…!…………ったく、しょうがねぇ!!ほんと世話が焼ける妖怪だな…。」

俺は絵本のページを1枚めくった。






「あとで仕置きが必要だな…。」

ドSヒーロー参上!


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