そっと唇に何かが触れた気がした…。

ねぇ…

少しだけ…期待してもいいのかな?



リクオ様ー…








そっと目を開ける。

「あ……れ…………?」


毒林檎を食べて…

えぇと……


どうやら私…
助かったみたい…?


唇に感じた温かな熱をそっとなぞる。

一体…だれが………?


「よぉ、雪女…。」


目の前には陰陽師。


「なっ…!?」


え…

え!?

まさか…!!??

ぱちぱちと瞬きを繰り返すけれど、変わらずいるのは陰陽師で。

かぁぁぁ…

顔に熱が集中する。

「あっ…アンタ……まさかっ…!!?」

抗議の声を上げようと、陰陽師を見上げるけれど、陰陽師は先ほどまで目を逸らしてたくせに、今度はまっすぐこちらを見つめていて…どうしたらいいか分からなくなった。

しかもよく見れば陰陽師に抱き抱えられているし…!

何これ何これ!

というか一体何が!?

慌てる私とは対照的に、意地の悪い笑顔で見つめてくる陰陽師。

顔がだんだんと近付いてきて…

近い!近い!!

一体私はどうなってしまうの〜〜!?








ふわり、耳元に囁かれた低音は…



「俺のキスじゃご不満ですか?」


強気で意地悪な悪魔の囁きだった。



「なっ……!!?」

「ふっ…冗談だ。」

「ま、また冗談!?」

「まぁ、落ち着け。この物語から脱出するためにはたぶん物語を完結する必要がある。さっさと終わらせるぞ。」

「えっ…!?あんたもここに吸い込まれたの!?」

「……………まぁな。」

「ふうん………。」

「白雪姫〜〜」

周りを見れば、よかったよかったと泣いている小人さんたち。

「みんな…心配掛けてごめんなさい…。」



「白雪姫、白雪姫、」

「冷麗……?」

「ちょっとこっち…」

促されるまま、冷麗に近付く。

「王子様、今はあんな感じだけど…あなたを抱き抱えたまま、ずっとうろたえていたのよ?それにね、こいつは俺のもんだって宣言したんだから!」

「えっ」

「馬鹿っ!おい!」

陰陽師は血相を変えて冷麗の口を塞ぐ。

え………


顔が赤い…?



「ったく…!!雪女!物語完結させるぞ!」

「えっ!?次はどうなるんだったかしら!?」

「………こうするんだよ!!」

ふわり体が宙に浮いた。

いわゆるお姫様抱っこに赤くならずにはいられない。


「結婚………するぞ。」

「え……!?」

「返事は…?」

私は…私と同じくらい顔を赤くしている陰陽師にあっけにとられて、気付いたら返事をしていた。


「はいっ………」






私がそう答えると、眩い光が私たちを包んだ。



ハッピーエンド?



prev next もどる
×
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -