四
***
「ふむ、白雪姫もいなくなったことやし…。…鏡よ鏡…世界で一番美しくて!可愛くて!健気で!純真な乙女はだれや!?私やろ?私!早く言わんかい!!」
知らない人からもらった物はうんたらかんたら「………それは、森の中で7人の小人と暮らしている白雪姫です。」
「何っ!?島!しくじったな!!…だいたいなんで私やないんや!!この鏡壊れてるんとちゃう!?」
「壊れてません。」
「黙りィ!!」
「・・・・・・。」
「ふぅ…。こうなったらアレや。奥の手や。ふふふふふ…ふははははは……!!月に代わってお仕置きや!!変化!!」
***
「ふっ…なかなかのもんやな…。ふむふむ…。ここか……。」
「あら…おばあさん、どうしたんですか、こんな森の中で…。道に迷いましたか?私にできる事なら力になりますよ?」
「(白雪姫!!…これは好都合や。あっちから寄ってきてくれるとは…)」
「おばあさん?」
「いや、な、ワシはしがない林檎売りの婆さんなんじゃが、なかなか売れなくて困っていたところなんだよ…」
「まぁ…そうだったんですか…。お気の毒に…。」
「どうせ売れないんだ…。よかったらもらってくれないかい?このままではどの道腐って捨てるようになってしまう。それだったら、あんたのようなお嬢さんに食べられた方が、この林檎も嬉しかろう。どうか受け取ってはくれないかね…。」
「ご親切にありがとうございます。ありがたく受け取らせていただきますね!私林檎大好きなんです!」
「……ほんなら、またな。」
「あっ!おばあさん!道分かりますか?」
「大丈夫じゃ、ありがとうな。」
「いいえ、それでは!」
「(今度こそ…上手くいった…!!)」
***
「真っ赤でおいしそうな林檎ね!ふふっ…ちょっと味見しちゃおうかな!」
一口かじると、口の中にみずみずしい爽やかな甘さが広がり、幸せな気持ちになった。
……あれ…?
なんだろ…
意識が遠のいていくような…
あ………れ……?
もしかして…
毒林檎だったというの…!?
私すっかり忘れて…
でも、気付いたときには遅かった。
目の前が真っ暗になった…。
まるで夜雀の闇にあてられた時のような…
リクオ…様…………
***
「…白雪姫、毒林檎を食べちゃったんだわ…。どうして…?…どうしよう…」
「泣くな、家長さん!僕らにもできることはあるはずだ!また息を吹き返すかもしれない。僕らがなんとかしなくっちゃ!!」
「そうだぜ!俺達で白雪ちゃんを一生懸命看病してやんなきゃ!」
「……こいつには世話になったからな。」
「巻、白雪姫大丈夫だよね?」
「大丈夫もなにも私たちが助けるんだよ!」
「そうよ!絶対に助けてみせるわ!」