生まれ変わりの未熟な魔女 | ナノ
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 2.衝撃発言?

私、ヒナタは異世界にある日本で生まれた。結城陽向という名前で。
だけど、どうやらそこでの私は死んだらしい。

そして新たに生まれ直したのがここ、オルクス大陸の水の国上空に浮かぶ、地上では幻や伝説扱いになっている空の国。
その国王と王妃の間に生まれたお姫様が私らしいのだが……。
「父様も母様も、私の自我が芽生える前に死んじゃってるから、実質王様……あー、女だから女王……え、なんかヤだな。女王って響き……絶対私に似合わないよ……」
「なーに、ブツブツ言ってるのーひぃさま?」

ひぃさま=姫様。城にいる者を含め、この国に住む精霊達はみんなヒナタの事をそう呼んでいる。

この国に住む精霊達、と言ったけど、実際の所はヒナタ以外みんな精霊で人間は存在しないんだけどね。


「あ、ユニ。ちょっとね、状況の把握と整理してただけだから。このところ一気に色んな情報詰め込みすぎちゃったし」

ユニ。生まれたばかりで両親を失っていた私を育ててくれた精霊の一体。この城に住む使用人、彼女の場合はメイドの立ち位置である。

実際、メイド服っぽいものを着て、身の回りの世話をしてくれるし。

もっとも、精霊みんな手のひらサイズだから大変そうなんだよね。

あ、でも普通のサイズになることも出来るって前にほかの精霊が言ってた気がするから、いらない心配だったかな。


「んーそういえばひぃさま、こないだからこの国のだけじゃなくてー、地上の書も読みあさってたもんねー。でも、どーして急にそんなの沢山読みはじめたのー?」

「あぁ、近い内に地上に降りようと思って。それで学校に通うから、そのための勉強してるの。授業で遅れたくないし、どんなこと習うのか分からないから、出来るだけさらっておこうかなって」

「へー、そーなんだー地上のがっこ………………って、えええぇぇぇええ!!??」
「ちょっ、ユニ、急に大声ださな――」
「どうしました!?」
「何があった!?」


大声出さないで、と言い掛けたところで、扉もない書庫のこの部屋に二人、いや、二体? ……どっちでもいいか。とにかく二体の精霊がなだれ込んできた。

一体はいつも丁寧語で、基本フリーダムな精霊の中でも一番使用人っぽい女の人で名前はカナ。

もう一体は、コックの衣装を身に纏う男で、名前はナガル。
この城の、料理人である。


「ひ、ひぃさまが地上に降りて学校とかいうのに行くってっ……! ど、どーしよっ」

「な!? ひぃさまが地上にだと!?」
「そんな……あ、あの。ひぃさま。それは本当なのでしょうか?」




「え、みんな。なに、その反応……」


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