夢2

綱吉side



フワフワした気分で目を開けば

見たことのない景色が目の前に広がっていた

夢にしては思考がはっきりしているし、体も自由に動く

ただ一つ

誰の目にも俺は映っていないということだ



「夢……なのか?」



不思議な感覚に戸惑っていれば

俺の目の前を少女が横切って老婆のもとまで駆け寄った

何故かその少女に目が行く



「深雪……?」



何故か深雪の顔が頭に浮かんだ

そして少女が老婆に見せた者を見て俺は目を見開く



いつかリボーンから聞いたことがある

ボンゴレリングは7つではなく8つだと

その一つは女性で、他のボンゴレリングとは違いシンプルなシルバーリングだと

目印としてボンゴレの紋章は入っている

ただそれだけしか聞いていない



「あの子は、深雪?」



俺の超直感がそう言った

次の瞬間だった

俺は真っ白で前も後ろも左も右も分らない

でも、なんだか暖かいそんなところにいた



『助けて……』



深雪の声だ

すると真っ黒な空間に膝を抱えてただ手を伸ばす深雪がいた



「深雪」



俺がそう名前を呼べば驚いたように目を見開いた深雪は

俺の方に飛び込んだ

そしてい一気に俺の意識は浮上する



「夢、だったのか?」



胸の内にどこか暖かなものが残っていて

でも、目が覚めてみれば自分の部屋で

なんだか気持ち悪い感じがした

深雪も同じ夢を見たのだろうか?

大丈夫なのだろうか



「見に行こうかな」



こんなに心配なのは

どうしてだろう?

俺はまだ自分の気持ちに気付かないまま

さっさと着替えを済ませる

頭の中は深雪のことでいっぱいだった


  

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