仕事


「じゃぁ仕事なんだけど……」

『できることはなんでもしますよ!』



食事も終えて執務室へと二人で向かった

綱吉さんはよく手をつなぐ

年の離れた妹や弟がいたのかな?



「じゃぁ、昨日説明したとおりにお願いね」

『はい、分りました』



その会話を最後に私たちは黙々と山のように積まれた書類を片付けて行く

綱吉さんが時々書類を燃やしていて

なかなか斬新な捨て方するんだなぁなんて思った



コンコンコン



「おいだめツナ、追加だ」

「はぁ、まだあんのかよ」

「文句いってねぇでさっさと終わらせろ」



入ってきたのは相変わらずボルサリーのをかぶったリボーンさんだ

追加にしてはなかなか分厚い紙の束をドサッと置いた

眉間にしわを寄せた綱吉さん

確かにやってもやっても終わりが見えない



「深雪、仕事は順調か?」

『へ、あ、はい!そんなに難しいものでもないので』



突然話しかけられて驚く

まさか自分に話しかけてくるとは思わなかった

つかつかと私の前まで来て私の顎を掬った



「俺の愛人にならねぇか?」

「ちょっ、リボーン何言ってんだよ!!?」

「だめツナは黙ってろ」



ニヒルに笑うその表情を呆けた顔で見ていると

綱吉さんが間に入る、が押しのけられた



「深雪、どうする?」

『えっと、すみません遠慮します』

「そうか、気が変わったらいつでも来いよ」



チュ



私の頬にキスをしたリボーンさんは部屋から出てどこかへ行ってしまった

ポカンと、起こったことを理解できずにいた



『い、痛いですっ』

「消毒!」



ごしごしと私の頬をシャツの裾で擦る綱吉さん

皮膚がめくれるっ……!



『……一度休憩にしましょうか』



お茶をいれてきますと言って私は備え付けのポットで紅茶をいれた

お菓子も置いてあったので一緒に持って行った

私がお茶を入れている間に机の上をきれいにしてくれていた綱吉さんのもとへと戻って

二人でお茶会をする



その後は普通に仕事をこなし

何とか夕食前に全て終わらすことができた

途中で獄寺さんや山本さんもいろいろ持ってきたが

山本さんいわく、ためなければこんなにはならないらしい

一体綱吉さんはどれだけため込んでたのっ……



「助かったよ、ありがとう」

『いえ、終わってよかったです』



ちょうど夕食の時間になったため、また二人で食堂へと一緒に向かう

綱吉さんはまた私の手を取って一歩前を歩く

別にどこへも寄り道したりしないし

こんなに近くを歩くなら迷子にもならないのに

不思議だ


   

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