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「ボクは名前と違って忙しいから」
「はいはい、わかりました」


確かに天とわたしでは自由に過ごせる時間にも差がありそうだけど。
このまま言い合っていても日が暮れるだけなので、わたしは家に帰ることにした。明日もバイトだし。


「どこ行くの」


お店の出口に向かうと、天が後をついてくる。


「帰ります。土曜日なんで!」


“デート”は終わりですよ、天さん。いまからわたしの貴重な休日が始まるんです。


「家まで送る」


しかし、天は急に真剣な顔をしてわたしの前に回り込んだ。
そんなに必死にならなくてもいいのに。


「いいです。子供じゃないし」
「女の子でしょ」


え!?

驚いた。わたしのこと女の子だと思ってたのか。
好きだ、とかいうくせに、まったく女の子扱いしてこないから、意外だったよ。


「じゃあ、よろしく」


断ると面倒なのでおとなしく送ってもらった。



こうしてわたしの長い一日は終わった。でもこれは今日だけの話じゃなかったんだ。