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よくわらないまま紙の束を抱きかかえ、行く場所がなくなったのでとりあえず靴を履き替えて……そのまま家に帰った。

自宅の自分の部屋に帰って、机に荷物を置いた途端、急に体がすっと軽くなる。いままで重石をつけて歩いていたんじゃないかってくらい、体が重かったんだ。

……この紙の束のせいかもしれないけど。

でもこれを書き終えたら学校を辞められるんだ。だったら書くしかない。家でゆっくり書けば夏休みが終わるころには書き終わるだろうし、夏休みの宿題だと思えば、少しは前向きになれる。


「って……」


白紙の中に一枚だけ文字がプリントされた紙が混じっていた。読んでみると書くにあたっての注意事項みたいなことがずらっと書いてある。

でも問題はそこじゃない。
ずらっと書いてある文章の一番下の行。


『合わせて、一か月間教室に顔をだすこと』


要するに、一か月欠かさず教室に足を運べということだ。理解が追い付かない。
あのほとんど男子校、みたいなところに、一か月休まず通えと。

……なんで転校したんだろう。
いまさら後悔したって、遅いのはわかってるけど。