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だめだ、こんなところで立ち止まっていたら時間が経つだけ。人が来たら完全に怪しい人物扱いされるし、2年B組に来いって書いてあったんだから。

このドアの向こうに先生がいると信じて、わたしは教室のドアを開けた。


「…………」


途端に静寂が訪れる。

いままで聞こえていた話し声が恐ろしいぐらいピタッと止まって、すべての視線がわたしに向けられた。教室中の、クラスメイトの視線が刺さる。ぜんぶ。まるで千の刃を向けられたみたいに。寝てる人もいるし。

そして教師はいない。


「あ、の」


わたしはここでいつものパニックモードに切り替わって、声をだしたくてもだせないし、体を動かそうにも動かせないし、視線のやり場に困るし、なんかみんなぽかんとしてる、し、ご、ごめんなさい……


「おまえ、もしかして」


一人の生徒がわたしを見て席を立ったので、わたしはそこでようやく止まっていた時間を動かすことができた。

―――バンッ!

というやけに大きな音を立ててドアを閉めると、今までないくらいのスピードで廊下を走った。大きな音をだしたせいで、周りの教室もざわざわし始める。

もう、なんでこんなことに!
なんで先生、教室にいないの……!!