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部活やアイドル活動?で校内にはやっぱり生徒がちらほらいた。

アイドル科で女子生徒が歩いているとやっぱり目を引く。ちやほやされる、とかいう意味ではなく、変わったものを見るような視線が向けられている。どんな会話が飛び交っているのか、聞きたくなんてないけど。


俯きながら校舎の中を歩き回っているといろんな部屋を見つけた。

音楽室とか図書室とか、普通の教室もあれば、不思議な名前の部室とか、防音レッスン室、スタジオなんてものまである。さすがはアイドルを養成している学校だ。


わたしはちょうどスタジオの前で足を止めた。学校の中にスタジオ?
なんとなく気になって、開かないだろうと思って扉を開けたら、

簡単に開いた。


「……!」


驚いて慌てて閉めようとすると、視界の隅に見知った顔がうつる。

部屋の隅で寝転んでいるのは、


「凛月」


思わず口にしてしまってから、ハッとする。声にでていた……?

見ると、スタジオの中にいるのは凛月だけではなかった。数人の生徒がいて、その中にはクラスメートの姿もある。確か、わたしの席を教えてくれた人。

彼らが一斉にわたしに視線を向ける。
声をださなかったらバレなかったかもしれないのに。


「あんた、だれぇ?ここに何の用?」
「あ、の」


ネクタイの色からすると……3年生?

鋭い目で睨まれて、一気に体中のすべてが縮む。このまま小さくなっていっそ消えてしまえたらいいのに。


「ふぁあ、ふ…………あ、名前」


そこで凛月が目を覚ました。
だからといってわたしが落ち着くわけもなく。


「くまくんの知り合い?」
「ん〜……俺の枕なんだけど」


違います、と言う余裕もない。


「うちのクラスの転校生なのよねェ♪凛月ちゃん、いつの間に仲良くなったの?」
「寝心地がよかったから」


完全に枕扱いされているのはこの際置いておいて、わたしはもう限界だった。


「し、失礼します」


「す」は言えたか言えないか、ぐらいの勢いで、わたしは扉を閉めてその場から走り去った。注目を浴びるのは、苦手だ。もう椚先生をさがすのは今度にしよう。

この学校はわたしにとっては巨大なお化け屋敷みたいで、どこにいても心臓がもたない。