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背中に大きなライオンさんのリュックを背負って、名前は立ち上がった。頭には大きな黄色い帽子。お気に入りのうさぎさんがプリントされた靴を履いて、準備はばっちりだ。

「ようちえん、いってきます」

リュックの取っ手をしっかり握りしめて、名前が呟いた。
その目の前には、四人の男たちが立っている。

「名前ちゃん、ハンカチは持った?」
「もった」

「名前〜、早く帰ってきて俺と一緒にお昼寝しようね」
「おひるねする」

「あ〜!名前!行ってきますのうっちゅ〜☆は!?」
「うっちゅー」

「ちょっと、お弁当忘れてるんだけどぉ!?」
「あ……ごめんなさい」

一人一人からかけられる言葉に丁寧に返した名前だったが、最後の泉の言葉に肩を踊らせる。今日は完璧だと思ったのに、また怒られてしまった。よりにもよって泉がお弁当当番のときに忘れるなんて。怒られても仕方がない。

「では行って参りますので。名前のことは司にお任せ下さい」

名前の後ろで待機していた司が、兄たちに声をかけると、凛月とレオが同時に手を振った。

「名前、ス〜ちゃん、いってらっしゃ〜い」
「気をつけてな〜!」

四人の兄に見送られて名前と司は家を出た。
しっかりと手をつないで。

けれど、五人に血のつながりはない。
これは四人の兄と小さな妹の共同生活のおはなし。