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事故だった。


「ふぁあ……ねむ」


体育とかこんな晴れた日によくやるよね〜。俺はいつもどおり日陰で時間がすぎるのを待ってたんだけど。いやこの暑さは異常でしょ。俺じゃなくても休むべき。ま〜くんもよくやるよねぇ。

みんなが着替えてる間に教室に戻る。なにも考えずに扉を開けたのが悪かった。


「…………!?」


締め切ったカーテンのせいで薄暗い教室に、白い肌が浮かび上がる。見るな、っていうほうが難しいくらい、目の前に名前がいた。息が止まるってこういうことなんだ。嘘みたいに静かだし。名前の下着の色が目に焼き付く。


「凛月」


名前は落ち着いた顔で、制服のブラウスに手を伸ばしたところだった。いや、この状況でその冷静さはおかしくない?
一気に顔に熱が上るのがわかった。あっつ。これならまだ外にいたほうがマシだった。


「……ごめん」


なにも言えなくて、できる限り名前を視界に入れないようにしながら扉を閉める。ああ、もう。なんでそういう。いや、俺が悪かったんだけど。鍵くらいしなよ。俺じゃなかったらどうしてたの。俺でもダメなんだけど。

とにかく心臓が落ち着かない。





「終わったよ」
「……うん」


しばらくして教室から顔をだした名前は、やっぱり呑気でなにもわかってないみたいだった。終わった、じゃないし。

廊下に座り込んだまま動けない俺に、教室に戻ってきたま〜くんが声をかけてくる。


「おい、凛月どうした〜?そんなところで寝るなよ〜」
「寝れるわけないじゃん」


しばらく頭から離れそうにないんだけど。