お名前変換
※ ぬるいR18
※ 血に狂った太郎太刀さん、吸血表現あり
※ だいぶ病んでるヒロインさん
自分らしくないと分かっていたけれど、早苗は自分から普段着の襟元をゆるめた。
今日は台風が近いせいか天候が優れず、調理や風呂番など必要最低限の仕事を残して全ての刀剣たちを休息日とした。そうでもしなくては、幼い精神を持って産まれた短刀たちが雷を怖がったり逆に暴風に遊ぶぞと意気込んだりと、まるで統率が取れなかったのだ。その代わりに、家の中で静かに休養すること、という条件のもとで一日の休暇が決定した。
「主よ、さぁ…はやく」
早苗は手に入れた休暇を、自室で満喫することに決めていた。満喫するというよりも、満喫させるという方があっているのかもしれない。しかし、早苗自身もこうして太郎太刀と共に過ごす時間を大切に思っている。
畳にベッドという部屋の中でベッドに腰掛け、いつもならば脱がされる着物を自分から緩める。向かい合うように畳に座っていた太郎太刀の目が妖しく赤く光ったような気がした。早苗はその奇妙な感覚にすらも体温があがっていくのを感じ、下着のみを残して上半身をさらけ出した。
やんわりと、触れるかどうかの強さで腕を撫でられると、早く早くと心臓が高なっていくのがよく分かった。
「はい、太郎太刀。思う存分に」
むき出しになった早苗の首筋に顔を埋めた太郎太刀は、そのまま綺麗な歯をぐいと肌へ押し込んだ。
「んっ……」
「あぁ……早苗、主の血が…血が私の中へ…っ」
肌が割ける痛みの後に、内側からどくどくと血液が漏れていくのが分かる。そして体から出た瞬間に、太郎太刀の舌に誘われ彼の喉の奥へと下っていくのだ。
自分の一部を太郎太刀が吸収しているのだという恍惚とした感情と、鈍い痛みからくる快感と、それから太郎太刀の目には今この瞬間に早苗しか映っていないのだという独占欲。それら全てがないまぜになって、早苗は腰に甘い疼きを感じた。もっと、もっとしてほしいのだ。太郎太刀と1つになれるまで、いっそ骨も残さず食べて欲しいとすら思うのだ。
「主よ、その蕩けるような顔(かんばせ)、他の者へ見せることなきよう、忠告しておきますよ」
首筋全体を舐めるようにして血をむさぼる太郎太刀に、こうして血を与えるようになったのは審神者になって二ヶ月ほどが経過してからだった。
元より奉納されており現世のこと、俗世のことに疎かった太郎太刀に始めての出撃をお願いした後だった。帰ってきた彼は他の隊員たち同様に多少の疲労を見せてはいたものの、目の奥はまだ爛々と輝いていて野犬に遭遇した時のような危機感を覚えた。
「ただいま、主ー。途中さ、川のあたりで戦闘したら濡れちゃった。」
「清光はまた無茶をしたんですか?ほら、じっとしていてください」
一番最初の刀である加州清光の頭を拭いてやった後、それを見るように土間で待っていた太郎太刀に声をかけたのが最初だったのかもしれない。
近々、近侍になってもらおうと思っていたこともあって、早苗は太郎太刀に出来る限り優しく丁寧に言葉をかけたのだ。
「おかえりなさいませ、太郎太刀。どこか調子が悪いのですか?」
「いえ…」
そっけなく答えた彼の様子がオカシイことは分かったので、早苗はその場で彼の手をそっととると、自室へ来て話をしようと提案した。いつも、五虎退や乱を部屋に招いているのと同じ感覚で呼んだのもまずかったのだろう。
部屋へ入った途端、爛々とした目の照準は早苗に合わさった。
「太郎太刀…?」
「主よ、私はどうやら…血を見るのが好きなようなのです」
身の危険を感じつつも身動きがとれずにいれば、太郎太刀にぎゅっと抱きしめられ、そして首筋を舐められる。生暖かい感触に、純粋に女性として体が反応してしまい、甘い声が出た瞬間だった。
ぶつり
犬歯を使って噛み付いた太郎太刀に、度肝を抜かれた。そして、血を飲んでもらうという快感を覚えてしまったのだ。近侍にするほど大切に思っていた彼が、こんなにも早苗を欲してくれている。これはどんなに素晴らしいことだろうか。
「そして何より、主の血が…欲しい。主が欲しいのです」
「ええ、どうぞ。太郎太刀が望むのであれば、私の血も私自身も、どうぞお好きなだけ」
【 吸 血 衝 動 】
血を吸われながら、両手で胸を揉まれる。やわい刺激に固くなった頂きを弾かれ、腰がビクリと跳ねた。その動作に導かれたかのように、口から少しの血を垂らしたままの太郎太刀は、早苗の秘部に手を伸ばした。ぬるりと侵入してくる指先に、早苗は太郎太刀の背中へと腕を伸ばした。
始めて彼に吸血をされた時からずっと、こうして性交渉も同時に行われている。それは戦いがあった時だけに限らず、早苗の心身共に余裕がありさえすれば行われるものだった。
付喪神相手であっても、日本神話の内容を考えればお子を授かるということもありえるだろう。それでも、必要とされている、求められているという快感には勝てずに、早苗はずっと胎内に愛欲を受け入れてきた。
そして代わりに太郎太刀へは血を提供するのだ。こうしているうちに、きっとお互いがどんどん混ざり合っていくだろう。それはどんなにすばらしいことか。
「あぁ…太郎……お願いです、もう、気が飛びそうです」
「堪え性の無い人ですね。そこが愛らしくもあるのですが…」
早苗が強請れば、太郎太刀は自身を取り出すとすっかり半裸になった早苗のそこに宛てがい、少しずつ埋め始めた。その圧迫感が何とも言えず好きで、早苗はこのまま殺して欲しいとすら思った。
太郎太刀がどんな思いで早苗の血を飲み、性行為をしているのかは分からない。けれど、早苗は近侍を解任するつもりは毛頭ないし、なによりこうしてずっと、台風の音でかき消される中で行為をしていたいとすら思うのだ。
「太郎、太郎…もっと、血を吸ってください」
「えぇ、血を頂きましょう。そして代わりに…差し上げましょう」
腹の中で大きく脈打ち彼の欲が放たれたことを感じながら、早苗は充足感と共に目を閉じた。
終。
2015/05/25 今昔
刀剣男子による吸血CD…
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