我儘・弐


建物の横の草木がガサリ
と揺れた



三蔵は咄嗟に銃を構え

悟空は如意棒を取り出し
体制を低く
臨戦体制を取る





だが現れた人物を見て
2人は目を丸くした




白い衣に赤い袴
一般的な巫女の服装に

漆黒の長い髪を後ろで結び
手には大きな籠を持ち

あちこち泥の付いた綺麗な女が現れた





女は三蔵と悟空を見て
ポカンとした顔をした








「どちら様…でしょうか?」


「お前がこの寺の主か?」


「はい
正確には父のでしたが現在父が他界し、私が跡を継ぎました」


「なるほど
最近この寺に妖怪が出ると聞いて来たんだが」


「………
中でお話致しましょう
さぁどうぞ」









女は一瞬顔を曇らせ
建物の中へと2人を招いた



悟空は三蔵の顔をチラッと見て
如意棒を消し建物へと向かった





中に入ろうと敷居を跨ごうとした時










――バチッ!!









悟空は見えない何かに
弾き飛ばされ外へと尻餅を着いた








「なっ…!?
いってぇ!」


「あら貴方妖怪ですか」


「どういう事だ」









建物の中には寺独自の仏具がありその中の1つが妖怪など人間以外全てを弾き飛ばす物があると言う




悟空は憤慨しながらも
仕方ないと建物の外に座り込んだ






.

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