梅雨・弐
三蔵はガバッと起き上がった
「仮病じゃねぇ…」
「へぇ…?」
ジト…と疑う眼差しで三蔵を見る
三蔵は舌打ちをしながら頭を掻いた
「雨が苦手なのは知っているだろう
雨の日は…」
三蔵は腕を組み再び惷香の膝に頭を預けた
「お前がいないとダメなんだよ」
惷香は一瞬目を丸くするが
すぐにクスッと微笑んだ
「仕方ないなぁ…」
惷香はサラリと指先で三蔵の髪を撫でる
雨でも悪くない
梅雨明けまで
もう少し…
梅雨・fin
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