初夏・八



気を失っていた時

微かに香ったタバコの匂い…



もしかして…









「あの…
私が助かってから…その…
三蔵が人工呼吸を…?」


「だから何だ」









カッと顔が暑くなるのが分かる








「い、いえ…
ありがとう…」









惷香は三蔵と目を合わさないまま 着がえるとテントへと入って行った






テントから着替えを済ませて出ると 相も変わらず正座したままの3人に惷香は立つ様に促した


3人の背中や肩は日に焼けて
触るのも躊躇う程に赤くなっていた








「うわ…痛そう…
大丈夫?
今冷やしたタオルでも持って来るからね」


「惷香
甘やかすな と言っただろう
お前は甘いんだよ。」








三蔵は不機嫌さを更に増した様子でピシャリと言葉を放つ









「惷香
大丈夫ですからね。
ありがとうございます
本当に優しいですね」








八戒は立ち上がり惷香にニコリと微笑んだ








「あ…でも…」


「へーき へーき
俺さ 惷香と泳げて嬉しくって つい…
だからごめんな?」


「ま、惷香ちゃんにした事の代償にもなンねぇけどさ
日焼け位平気だって」








3人は惷香に向かい
何度も謝った






.

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