初夏・七

『さん…?夢…かな…』








惷香は三蔵に腕を掴まれ



そのまま意識を手放した



















炎天下の中

ズボンだけの姿で正座をしている3人を見たのは



惷香の視界に三蔵の整った顔が近くにあった時だった









「んなっ…?!」









惷香はガバッと起き上がり


ズサッと後退りをした








「もう平気そうだな」








三蔵は座りフゥと溜め息を着く








「ごめん…惷香」


「わり…」


「すみませんでした…」








正座をしながら3人は悉く
惷香に謝罪を言った








「え?あ、うん
もう大丈夫だから…」







何が起きたか分からないまま

惷香は3人に答えた








「甘やかすんじゃねぇ
このバカ3人のせいで
お前は溺れたんだからな」








眉間の皺をいつもより深くし

ポタポタと髪から水滴を落としながら三蔵は溜め息を付いた








「あ…でも助かったし…
三蔵が助けてくれたの?」


「…ふん」


「三蔵が助けなかったら今頃…
本当にすみませんでした」








八戒は惷香に切ない顔を見せる








「いいよ八戒
私もあまり泳げないのに
深い所に行ったのが悪いんだからさ…」


「ったく…あめぇんだよ」








三蔵は頭を掻きながら
タバコに火を着けた




.

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