想い・弐
それからと言うもの
仕事だろうが何だろうが
天蓬達の誘いで悉く邪魔をされた
『酒を飲もう』
『花見をしよう』
馬鹿か
暇なヤツらが―――
しかし その席に必ずあの女がいた
ある日捲簾が
【下界の桜は美人だ
生き様が違うんだ】
と天界の桜を見ながら杯を翳した
俺はチラッとあの女を見た
理由なんか知るか
俺はきっと
あの女と
惷香と下界の桜を見たかったんだ
切ない顔をしたお前に
俺はきっと心の中で約束をした
【産まれ変わったらこの場所(桜)の下で会おう】
と―――
想い・fin
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