初夏・参


「やはり悟空のでもおっきいなぁ…」









惷香はウエスト部分をグイッと持ち上げながらテントから出た








「あー惷香
似合ってるよ!」









悟空は嬉しそうにニコッと笑う








「何だぁ?
猿と一緒に行水か?
なら俺も入っちまうか」








悟浄は前髪を掻き上げ
スッと立ち上がった








「まぁこう暑くては悟空じゃなくても泳ぎたくなりますもんね
たまには僕も」









八戒はバサリと上着を脱ぎ
ニコニコと微笑んだ








「惷香ーっ
さ、泳ごーぜ!」









悟空は勢い良く湖に飛び込み

周りに水しぶきをぶちまけた








「あ、てめ!
このバカ猿!
つめてーだろうがっ!」


「何だよ!
どうせ悟浄だって入るならいいじゃんか!」


「準備っつーものがあンだよ!
準備っつーものが!」


「まぁ心臓が止まっても死ななそうですけどね」


「おい八戒
どっかの生臭さ坊主に似て来てねぇか…?」


「誰の事だ ぁあ?
沈められてーか」


「イエ ナンデモナイデス」








いつもの雰囲気の中
悟空に促され惷香は湖へと身体を浸した








「ふぁ…冷たー…」








両手を胸の前で屈む様に構え
プルプルと震えた



だが すぐに身体は水温に慣れ
水際からゆっくりと悟空のいる湖の真ん中へと泳いだ





.


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