導き・拾壱


「え、でも…」


「いつか帰るまで
マジ待っててよ?
待っててくれなかったら
ごじょさんグレるから」


「ふふふっ
それ以上グレたら大変だね」


「ンだとォ?」









窓の外には朝日が上がり
2人の横顔をオレンジ色に染め上げた









「そろそろ時間だな…」








隣の部屋から悟空の空腹を訴える声を聞きながら
惷香に視線を向ける








「怪我…しないでね」


「大丈夫大丈夫
何てったって俺様強いから」








ケラケラ笑いピタリと真顔になると惷香を抱き締めた








「絶対…待っててくれよ」


「絶対…帰って来てね」








ゆっくり離れると
悟浄は惷香を見つめ

ゆっくりと唇を重ねた


惜しむかの様に唇を離す



朝日は完全に上がり
出立の時間となった








悟浄は惷香が町に戻る船に乗り
姿が見えなくなるまで見送った






悟浄が抱くこの感情が

【愛情】

だとは悟浄は気付かないまま

悟浄も再び旅に出た

























悟浄が惷香に
【愛情】
を抱いていると知ったのは


旅を終え惷香と再会し

実感するのは



そう遠くない未来の話…







導き・fin

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