導き・九


悟浄は惷香に風呂に入る様に促し
その間タバコを吸いにと部屋を出た



部屋を出ると廊下に八戒が壁に寄りかかり立っていた








「やはり彼女だったのですね」


「まぁな…
まぁ無事だったから良かったんだけどな」


「悟浄
彼女をこれからどうするつもりですか?
旅を辞めるのも自由
続けるのも自由です
ですが…」









八戒は悟浄の方へと歩き
通り過ぎた所で立ち止まる








「いなくなると寂しくなりますねぇ」


「いなくなる前提かよ…」


「言ってみただけです」


「いい性格してンぜホント」








悟浄はタバコを取り出し
1本口にくわえ
両手をポケットに入れる








「どうしてこう俺には幸薄な奴が集まるかねぇ」


「あなたが幸薄だからじゃないんですか?」


「俺様幸せよ?」


「ならその幸せがどの選択か
決めておいて下さいね」








八戒の足音は段々遠くなり
自室へと戻って行った



悟浄は頭を掻きながら外へと向かった




















宿屋前の備え付けの灰皿に灰を落としながら
悟浄は考えていた









「考えたって仕方ねェ!
どうせ答えは…決まってンだからな…」








悟浄は灰皿にタバコを押し潰し

部屋へと向かった








.


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